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050814

甥の結婚

福岡に住んでいる、妻の妹の子供が結婚することになったので、私たち夫婦で出かけました。途中は雨も降らず日も照らずの 恰好の旅行日和だと二人で喜びながら九州縦貫道を福岡に向けてひた走りました。

予定より早く義妹夫婦の家に着き、再会を喜び合いました。その日は妹の家に止めていただいて、 明くる日の結婚式に備えました。

結婚式当日は6時半に起床し、7時半には私たち夫婦と妹夫婦4人で、私の車に乗り、式の会場である博多駅近くのホテルに 向かいました。

私たち夫婦がずいぶん前に学生生活を送った懐かしい博多の町ですが、すっかり様変わりしていて、昔を懐かしむというより、 浦島太郎の面持ちでした。

私たちが学生のころは、まだ路面電車が走っていて、街を少し離れるとのどかな風景が広がっていました。しかし、 今は路面電車が地下鉄に変わり、町の上には何重にも張り巡らされた都市高速が走り、町並みを薄暗く感じさせました。

確かに、九州縦貫道を降りてから都市高速に乗り換えて、ノンストップで博多の町の中心の天神まで行けたのには びっくりしましたが、やはり便利さだけがすべてではないように思いました。

ホテルに着くと、妹夫婦はすぐ着付けのために美容室のほうに行きました。私たちは結婚式場に行きホテルの担当者や 聖歌隊との打ち合わせに入りました。ホテル側のご好意により、式の内容だけでなく、各器具の配置に至るまで私のしたいように させていただきました。

ともすると結婚式が単なる形式や儀式で終わってしまうことがありがちです。しかし、結婚式で重要なことは感情的な愛で 繋がった恋人同士の関係を、責任のある意思による愛で繋がる夫婦の関係に如何に作り変えるかが重要なのです。したがって、 相手を感情ではなく意思によって愛するかを、責任を持って告白させなければなりません。

そこで、まずそのことを式の当事者であるお二人に理解していただいたうえで、心を込めてその繋ぎ役をさせていただきたいと 臨みました。

いよいよ式が始まりました。御二人が真に幸せなご家庭を造っていかれることを祈りながら心を込めて司式をさせていただきました。 また、式場の方や聖歌隊の方にも快くご協力いただきました。

式後に妹夫婦に「お兄さんにお願いしてよかった。」と言っていただけて、心からよかったと思いました。また、式場の方が 「結婚式のあり方を考え直す必要があるかもしれない。」と仰っておられたことを聞き嬉しく思いました。

実は、私が牧師になってすぐに、お葬式の司式をお願いされたことがありました。まだ、自信はなかったのですが、 達てのお願いということで引き受けることにしました。

準備をする時間もほとんどなく、うまくできないかもしれないという不安で心がいっぱいになりました。そんな時、神様に 祈っていると、うまくやることより、あなたが心を込めてすることのほうが大切だという思いが与えられ、気持ちが落ち着きました。

それから、決してうまい式ではないかもしれませんが、愛を込めて、心を込めてさせていただこうと決心しました。

これら一切のものの上に、愛を加えなさい。 愛は、全てを完全に結ぶ帯である。コロサイ3:14

スマートに便利になることより、少し古臭くても心の通う街づくりや、不器用でも愛によって繋がる人間関係を造れたら 素晴らしいと思います。


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