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大切な自立訓練

楽しかった夏休みも終わり、いろいろな行事が目白押しの2学期が始まりました。各地の学校では運動会が行われ、子供たちの元気な姿を見ることが出来ます。

そのような中、先日兵庫県の中学生が学校のテレビを4台盗んだ容疑で、警察に逮捕されたというニュースが流れました。彼はそれを売って遊ぶ金をつくりたいと 思っていたようです。

またその少し前には、茨木県でも同じような事件が起きました。18歳の少年と19歳の高校生がゴルフ場のカートからガソリンを盗んで、自分達の車に入れて遊んで いました。そこで、ゴルフ場ではカートの中に水を入れて置いていたら、彼らがそれをガソリンと間違えて自分の車に入れてしまい、車が走れなくなったところを御用と なりました。

子供たちが遊ぶ金欲しさに簡単に人の物を盗んでしまう世の中に、どうしてそうなってしまったんだろうと思います。確かに今は何をするにもお金が必要です。 遊ぶためにもお金がないと何にもできない不自由な世の中になってしまいました。

私が中学生のころはお小遣いなんて貰っている人はいなかったように思います。もちろん私も、お正月のわずかなお年玉以外には、そんなものは貰っていません でした。それでも、外に出ると楽しい遊びがいっぱいありました。木に登って桑の実を食べたり、海に魚釣りに行ったり、野原を駆けて回ったりと毎日楽しく遊んで いました。

ところが今の世の中、お金お金で、お金がないと何にもできない、子供たちにとってはいささか可愛そうな環境になってしまったなとは思いますが、それだからと 言って簡単に人の物を盗んで遊ぼうとする短絡的な考え方には問題を感じます。

以前に読んだ本に、「ユダヤ人は、息子に職業を教えないことは盗みを教えることである、と言って、子供に職業訓練を施した。」と書いてありました。職業訓練までは しないまでも、子供が将来ちゃんと自立していけるように、小さい頃から年齢に合わせて躾をし、訓練する必要があると思います。

私達の小さい頃は、水汲み、薪割り、風呂の焚きつけ、鶏の世話等子供たちが分担してやっていました。そのようにしながら遊ぶ時間をやりくりしたり、あるいは 我慢したりし、また労働することによって働くことの喜びを学んだりすることも出来ました。

一方、今日本では過保護が大きな社会問題になっています。親が何でもしてあげて、欲しい物は我慢させることなくすぐ買ってあげる家庭が多くなってきたと いうのです。そのように、何不自由なく育てられ、自分の願うようにしてもらって育てられた子供たちが、我慢すること、忍耐すること、努力することを教わらないままで 大きくなり、欲しい物があると、我慢が出来ないので、盗んででも自分のものにしようとしてしまうのではないかと思うのです。

一番不幸なのは我慢すること、忍耐することを教わらなかった子供たちです。世の中は決して快適なことばかりではありません。苦労することこそ多いのです。 そのような場面に直面した時に、訓練を受けていない子供は本当にひ弱です。自分で環境を切り開く力がないのです。

子供の将来を考えるならば、苦労すること、忍耐することをあえて教えて行く家庭教育の必要があると思います。息子の高校の先生が「家で加勢をしている子供は すぐ分かります。勉強の段取りや要領が良いのです。」と言われたことを思い出します。そのようなことが彼らの明るい将来を築いて行くことになるのだと思います。

鞭を控える者はその子を憎む者である。子を愛する者はつとめてこれを懲らしめる。箴言13:24
愚かさは子どもの心につながれている。懲らしめの杖がこれを断ち切る。箴言22:15
私は、なまけ者の畑と、思慮に欠けている者のぶどう畑のそばを、通った。すると、いばらが一面に生え、いらくさが地面をおおい、 その石垣はこわれていた。私はこれを見て、心に留め、これを見て、戒めを受けた。しばらく眠り、しばらくまどろみ、しばらく手をこまねいて、また休む。だから、 あなたの貧しさは浮浪者のように、あなたの乏しさは横着者のようにやって来る。箴言24:30~34

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