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040229

昔を訪ねる旅

長男が群馬から久し振りに帰ってきて、やっと時間を取れたので、開聞町の開聞山ろく公園に妻と3人で行くことにしました。

そこは、彼が1歳になる前、私がまだサラリーマンだった頃、会社の社員旅行で妻と長男を連れて行った思い出の場所です。

開聞町には講演会の関係でたびたび訪問させて頂くようになったのですが、この公園まではなかなか足を伸ばす機会がなかったので、 期待に胸を膨らませながら出かけました。

開聞町にはいり、開聞岳を目指して車を走らせると早速開聞ふれあい公園という看板が見えてきました。

公園の駐車場に車を止めて、公園の中を3人で歩き始めました。しかし、そこで見る景色はわたしたちの イメージしていたものとはずいぶんかけ離れたものでした。

私たちの記憶によると、そこには芝生が一面に敷き詰められてあり、ところどころにやしの木が青空に向かって まっすぐ伸びている、視界の開けた開放的な空間でした。

しかし、そこは木々が視界をさえぎり、キャンプのためのログハウスが建ち、思っていたより狭いところでした。

私たちは27年の心の空間をしばらくは埋めることができませんでした。そして私が「そうだよね。27年も 経ったのだから木々だって大きくなるし、景色だって変わって当然だね。」と自分を納得させるように言いました。

妻が、「昔は海が見えたように思うのに、見えないね。」と言ったとき、私が木々の間から小さく見える海を見つけて 「木々がすっかり視界をさえぎってしまったようだね。」と答えました。

しばらく行くと公園内に「皆楽来」という手打ち蕎麦を食べさせてくれるところを見つけて入りました。 私たちはそこで畳に座って、菜の花の1厘ざしの飾ってあるテーブルで、おいしい蕎麦をいただきました。

帰る時長男が「あの蕎麦屋さんの名前はなんて読むか知ってる?ミラクルって言うんだよ」といいました。

私は、昔の公園のイメージが壊された思いもあって「蕎麦屋さんでミラクルって言うのは何か変だね。」 といいながら公園を後にしました。

それから長崎鼻に向かいました。妻から「疲れたので、車で待っているから2人で行って来て。」と言われたので、 長男と海岸まで歩いて出ました。

白い砂浜に青い海、開聞岳が海の向こうにくっきりと見えます。長男は肩に掛けたバッグからカメラを取り出し、 三脚を立てて写真を撮り始めます。

私は写真にはずぶの素人ながら、父親の威厳で「このアングルが良い。」とか「波が砂浜に打ち寄せて白い波しぶきが 飛び散る瞬間を、開聞岳を背景に撮ったほうが良い」と勝手に指示を出します。

良い写真が取れているだろうと、先ほどの公園での期待はずれを忘れてうきうきしながら帰途につきました。

帰りにいつもお世話になっている社会教育課の南先生に挨拶に行きました。そして、先ほどの公園の件を話すと、 それは全く違う公園だったことが分かりました。私のはやとちりで、とんだ昔を訪ねる旅になってしました。

愚か者が道を行く時、思慮に欠けている。自分が愚かであることを、皆に知らせる。
伝道の書10:3


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