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040606

痛ましい事件

6月に入るとすぐ、悲しい、痛ましい事件が飛び込んできました。 それは長崎の小学校で、6年生の女の子が同じクラスの女の子を殺害したというものでした。

思いもしない事件に日本中に戦慄が走りました。わずか小学6年生の女の子に何があり、 なぜお友達を殺害しようとまで思いつめたんだろうと不思議に思います。

時が経つにつれて事件の全容が少しづつ分かって来ました。2人はインターネットの チャットでお互いに書き込みをして、コミュニケーションを図っていたようです。 そしてその書き込みに、加害者の悪口を被害者の女の子が載せたということで2人の友情に 亀裂が入り、殺人までエスカレートしてしまったようでした。

最初2人の親交は交換日記からスタートしました。交換日記ではお互いの反応がつぶさに 見えるので、余り相手を刺激するようなことは書かないでしょうし、いやになったらすぐ やめることもできたでしょう。

しかし、それがチャットに変わると、相手の姿が見えなくなり、現実味が薄れていくので、 例えばテレビや写真に向かって悪口を言っているような感覚で、相手を傷つけるような 過激な言葉を平気で浴びせられるようになってしまいます。また、チャットになると、 自分以外の人にも見られてるとの思いで、憎しみも倍加していったのでしょう。

それにしても、そのような憎しみがこのような小さい子の心の中ですぐ殺意に結びついて いくことに驚きを禁じ得ません。

しかし、加害者の彼女が映画の「バトル・ロワイヤル」を好んで観ていたというのを聞いて、 私はこの事件の背後にあるものが少し見えてきたように感じました。

この映画は中学生同士が殺しあうという、信じられないような内容の映画だそうです。

まだ、しっかり自分の考えが確立していない子供にこのようなものを観せていたら、現実と 非現実の世界の区別がつかなくなってしまいます。したがって、この子は半分非現実の 世界の中で殺人事件を起こしてしまったのではないかと思います。

それは、加害者の子供が殺害の後、慌てた様子もなく普通に教室に帰って来たり、 接見の弁護士に被害者に謝りたいとのコメントを残したりするところから感じられます。

また、加害者の子供が、カッターナイフを使った殺害を計画したのは、前夜に放映された 月曜ミステリー劇場「ホステス探偵危機一髪」にヒントを得たといっています。

そういうことを考えると、大人社会が、この殺人事件を結果的に後押ししているように 思われてなりません。まだ確立されていない子供たちの思考体系は、私たちが提供する 社会環境によって作られていきます。

大人たちの楽しみの為に、毎日沢山の殺人事件をテーマにしたドラマが流されます。 また、子供の健全育成に悪影響しか与えないような、汚らわしい言葉が、子供の 見ているような時間帯の番組までも、平気で流されるようにもなって来ました。 こういうことが子供たちに悪影響を与えないはずがありません。

これ以上、子供たちの人生を破壊しないように、もっともっと大人の私たちが良い生活環境を 提供するための努力をしていかなければならないと思います。

この事件をきっかけに、私たち大人が、自分たちの楽しみより、子供の健全育成の為に、 いま何を子供たちに提供できるかを真剣に考える時にしようではありませんか。

正直な人を悪い道に迷わす者は、自分の掘った穴に陥る。 しかし潔白な人たちは幸せを継ぐ。 箴言28:10


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