041010
小学校の運動会
走る、走る。男の子が走る。女の子も走る。白い帽子が走る。赤い帽子も走る。上級生が走る。下級生も走る。 鳥小屋から放たれたひよこたちのように。
「あんまり走ると本番で疲れるよ〜」と子供たちに思わず声をかけます。
そう、これは運動会に向かう登校中の子供たちの様子なのです。彼らは朝、たいそう服に着替えた時点で、 もうすっかり運動会モードに入っているようです。
私の場合もそうでした。体操の服装をして、ゆっくり歩いて学校に行くことは不可能に近いことでした。 よく友達と一緒に学校に向けて走り始めました。負けないように一生懸命走りました。そして、校門の所にできた杉の葉で覆われて、 祝運動会と書かれた入場ゲートに駆け込むものでした。
学校についてからも、運動場を鬼ごっこみたいにして走り回りました。特に足が早かったわけではありません。ただ、 無性に嬉しかったのです。
きっと、家族が全員、また近所の人たちもいっぱい学校に集まってくれることが嬉しかったのだと思います。
今では、日曜日は礼拝やその他で忙しいので、なかなか運動会をじっくり見ることができなくなりました。そこで先日、 用事で学校を訪れたついでに、校長先生と一緒に5,6年生の運動会の踊りの練習風景を見させていただきました。
全員が30〜40センチほどの竹を持って、それを叩いて鳴らしながら踊ります。さらに踊りながら動いて隊形を変えていきます。 見ているだけで私には到底できない難しさだと思いました。生徒たちもなかなか苦戦しているように見えました。
朝、緑のおじさんをしているとき、交差点でお友達を待っていた6年生の女の子に聞いてみました。
「あの踊りはなんていう踊りなの?」彼女はなかなか思い出せない様子です。そして、「確かパとクがあったのだけど・・・ わからない」
しばらくするとお友達が来ました。彼女と一緒に歩き始めて突然、アッと素っとん狂な声を上げて立ち止まりました。 そして、「思い出したパーラックだった。」と教えてくれました。
ああ、彼女は今まで一生懸命思い出そうとしていてくれたのだとありがたく思いました。
運動会当日は午後から少しだけ見て、後ろ髪を引かれる思いで鹿児島市内のほうに仕事のために離れました。
翌日5,6年生の何人かに声をかけてみました。「どうだった、パーラックのできは?」すると、みな同じように 「うまくできたよ」と教えてくれました。私も子供たちは本番では立派にやってくれるだろうと確信していました。ただ、 彼らの勇姿を見られなかったのが少し残念でした。
毎朝、このような純粋な子供たちの心にふれることによって、こちらまでいつも元気づけられ、嬉しくなってきます。
聖書の中で、子供たちがイエス様の近くに来ようとしたとき、弟子たちが「先生のお邪魔だ」と叱りました。そのとき、 イエス様が「子供たちを自由に来させなさい。邪魔をしてはいけないよ。天国は、この子たちのような者の国なのだから」と 言われました。
心のきよい者は幸いです。その人は神を見るからです。マタイ5:8
※「パーラック」とは?:編者が「パーラック」とは何か、調べてみたのですが、何だかLEGOのおっかないおもちゃが見つかってしまいました。実は流行っているのでしょうか・・・。LEGOでパーラックのCD(上の段の真ん中)を出しているので、その曲に踊りをつけたのかもしれません。ちなみに英語で"pollack"はタラの一種のお魚だそうです。(というわけで、運動会の「パーラック」の由来については分かりませんでした。すみません:何かご存知の方、情報お待ちしています)