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人生いろいろ

先日の南日本新聞の「南風録」に載った現役最年長力士、一ノ矢の記事を見ながら、人にはそれぞれが選択したいろいろな 生き方があって、面白いなと思いました。

来年初場所で、44歳を迎える一ノ矢は高砂部屋の序2段力士で、怪我や故障に泣く力士が多い中で、小さいころサトウキビ畑の 手伝いで鍛えた足腰の強さのおかげで21年間ほとんど休むことなく相撲をとり続けておられるそうです。

しかし、厳しい相撲界では番付がすべてです。十両に上がらないと給料ももらえません。自分より10歳も20歳も 若い力士に先を越され、ちゃんこを作りながら野菜の高騰を嘆く彼は、実は琉球大学理学部物理学科を卒業した異色の 経歴を持つ力士なのだそうです。

高学歴を持ちながら、それらに執着せずに、自分の納得する人生を送らんと努力を続ける一ノ矢のひたむきな姿が、 走っても走っても勝てないのに、あきらめずに走り続ける高知競馬にいたハルウララの姿とダブって見えてきます。

これらを見ていると、今盛んに言われる勝ち組・負け組とは一体、何を基準にしているのだろうかと思います。 有名になったり、お金持ちになったりすることが果たして勝ち組といえるのだろうかと疑問に思えてきます。

先の総理大臣細川護熙氏は、政界ではまだまだ若い60歳で政界を引退し、子供のころからあこがれていた寒村での土に 親しむ生活を選び、晴耕雨読の隠居生活をしておられます。

作業服を着、作業帽子をかぶりゴム長靴を履いて畑を耕す姿からは、政治家当時の立派なスーツに身を包んで、 颯爽と議事堂を歩いていたかつての姿は想像できません。

しかし、生き生きとした満足げなその顔からは、勝ち組負け組と勝手にくくる、外からの価値観を超えた 素晴らしい生き方が見えてきます。

私は13年間営業マンとして衣料品卸問屋で働きました。鹿児島県内では比較的有名な企業で、給料もボーナスも それなりに出ていました。

しかし、38歳のとき会社を退職して牧師の道を選びました。突然耐乏生活を余儀なくされ、家族で毎日おかゆをすすって生活 していましたが、決して負け組みの意識ではありませんでした。貧しいながらも家族が団結して楽しい日々を送っていました。

私も家族も豊かな生活より、それらを超えたもっと有意義な生き方があることを自覚していました。私たちにとって、 悩んだり苦しんだりしている人々に仕え、それらの人々が神様に触れられ、新しく生かされ、生き生きと過ごすように 変えられていく姿を見ることは、何にも変えられない喜びになりました。

一切れのかわいたパンがあって、平和であるのは、ご馳走と争いに満ちた家にまさる。箴言17:1

人の幸せを実感させるものに生きがいがあります。生きがいは豊かで楽しい生き方の上ではなく、努力して苦労する生活の中で 生まれてきます。すなわち、楽して楽しくの生活よりも、人からは認められなくても自分で納得できる生活を送ることが 幸せの道だと思います。

しかし、さらに大いなる幸いの道を聖書は次のように言っています。

御言葉に心を留める者は幸いを見つける。主により頼む者は幸いである。箴言16:20


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