050123
想像は創造
ガッタン、ゴットン、ガッタン、ゴットン、音がどんどん大きくなり、近づいて来たかと思うと、突然キッキーという金属が 擦れ合う音がして、電車がホームに滑り込む。
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薄暗い田舎の駅のプラットホームに、明るい光をあふれさせた電車が止まり、中の人が動き始める。一人、二人と降り始めて 都合十人程の人がホームに降り立つと、電車は再びゆっくり走り始める。
降りた乗客は作業服を着た若者を先頭にホームの陸橋を登り始める。寒風が吹きすさぶ陸橋を一団の固まりが足早に過ぎ去る。 よく見ると、最後に遅れてひとりのおばあちゃんが一歩一歩踏みしめるように手摺に掴まりながら、ゆっくりと階段を登り、 陸橋を渡り通り過ぎていく。
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私はベッドで横になり、暖かい布団にくるまれながら、ガッタン、ゴットンという電車の音を聞きながらそのようなことを想像します。
いろいろなことを自由に想像することはとっても楽しいことです。想像の世界は広がり続け、現実をはるかに超えた空想へと 膨らんでいきます。
神様は人間に想像する能力を与えました。そして、人間は想像することによって、文化、文明を発達させ、素晴らしい社会を 創造して来ました。
物を作るにしてもすべては想像から始まります。たとえば、家を作る時は、まず頭の中での想像から始まります。そして、 その想像したものを具体的に図面に起こしたり、完成予想図を描いたりします、そしてそれに沿って想像の世界を 現実のものとしていくのです。
このような想像の能力は人間に特別に与えられた恵みの賜物です。想像はすべてのものを現実化して行く創造の原点なのです。
したがって、人生で成長していくためには、この恵みの賜物をフルに活用していく必要がありそうです。
つまり、いつも大きな夢とビジョンを持って、それらの状況を心に思い描きながら毎日を過ごすなら、楽しいだけでなく やがてそれらが現実のものとなってくるのです。
私はクリスチャンになった当初、盛んに大きな夢と幻を持って祈り続けるように教えられました。夢と幻があたかも 現実のものであるかのように見続け、歩み続けるならそれは必ず創造へと進んでいくというのです。
すなわち、想像は霊の領域であり、頭の中にあるものを現実のものにしていく力があります。実は信仰の本質とは そのようなものなのです。
信仰とは望んでいる事柄を確信し、まだ目に見ていないものを確認することである。ヘブル11:1
神様は聖書にそって正しく想像することによって、神の救いと恵みを受けていくことができるように、 この恵みの賜物を与えてくださったのです。したがって、いつも聖書の御ことばを黙想し、神の愛と恵みに目を留めながら、 希望を持って前向きに生きていく必要があります。
しかし、一方悪魔もこの能力を悪用し、罪を犯させようと誘惑してきます。先日、奈良で起きた幼女殺人のような恐ろしい事件も、 犯人の家から幼女のビデオや写真が出てきたことでも、悪い想像による現実化だと分かります。
したがって、私たちはこの霊的な賜物を正しく活用し、正しい想像により、喜びと希望の生活を送っていきたいと思います。 さらにまた、私たちはいつも良いビジョンを持って、良い環境を創造するために働いていく者となりたいと思います。