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050227

凍えながら聴く講演

今月は小学校6校と高校1校の講演会でお話させていただきました。大浦の笠沙高校のときは、ちょうど母を預かっていて、 一人で置いていくわけにも行かず、講演題も「真のボランティア精神」についてだったので、学校側の了承を得て、 母も連れて3人で出かけました。

当日は雪の降る今年一番の寒い日で、車で知覧、川辺、加世田と雪景色の中をひたすら走りました。加世田を過ぎて海岸線に出ると、 かなり強い海風が吹き付けて来ました。

ようやく大浦町の笠沙高校に到着して、玄関を入るとすぐ、職員の方が迎えにおいでくださり、校長室に案内してくださいました。 校長室はストーブが焚かれ暖かくなっていたので、しばらくそこで冷えた体を温めました。

しばらく校長先生と雑談をしていると、準備ができた旨の連絡があり、校長先生に案内されて会場の体育館に行きました。

広い体育館の中はあたかも冷蔵庫の中のように冷え切っていました。講壇に上がると、寒さを我慢して私の話を聞いて くださる先生や生徒さんがたの姿が見え、ありがたいやら、申し訳ないやらで、90分の講演予定を60分余りで切り上げました。

また、そのような中、校長先生が母の体調のことを盛んに気にしてくださるのには感謝でいっぱいでした。さらに帰りは、 校長先生と教頭先生、それに担当の先生が、寒風の吹きすさぶ中、玄関の外まで出て来てくださり、 私たちの車を見送ってくださいました。

私は講師の先生というよりも、今までボランティアに関って体験したこと、感じたことをただお話させていただいただけなのに、 このような小さな者をこのように大切に扱ってくださる姿に恐縮しつつ、大変申し訳なく感じました。

また一方、小学校での講演は、いずれも指宿市の学校で、今春学校に上がる子供さんを持たれる保護者のかたがたに、 入学するに当たっての家庭教育や、心構え等についてお話しさせていただきました。

従来は校長先生や教頭先生がお話していたところに、教育委員会がお願いして、講師を呼んでわざわざお金をかけて、 講演会をするわけですから、それなりのメリットが見える形で現れないと教育委員会の立場がなくなりかねないと多少緊張しました。

しかし、各学校とも非常に反応が良く、ほとんどの学校で再び講演に来ていただきたいと言って頂きました。特に、妻がお話した 3つの小学校ではかなりの反響がありました。

私たちのような小さな、能力も力も名声もない者が、各地で快くこのように受け入れていただけることには、 心から感謝しています。

ただ、あくまでも講演の目的は、主にあって皆に仕えることであり、こちらのほうが仕えさせて戴かなければならないのだと いつも肝に銘じておきたいと思います。また、講演や交わりの中で自分を立派に見せてはいないかを吟味することをも 怠らないようにし、自分が小さい取るに足りない者であることをいつも自覚して歩みたいと思います。

犬が自分の吐いたものに帰ってくるように、愚かな者は自分の愚かさを繰り返す。 自分を知恵ある者と思っている人を見ただろう。彼よりも、愚かな者のほうが、まだ望みがある。 箴言26:11〜12

共に学び、共に成長していくために、私たちのつたない経験が用いられるのであれば、自分の小ささを見失わないように気を付け、 へりくだって喜んで、皆に伝え、仕えてまいりたいと思います。


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