050605
悠々自適、ひだりうちわって幸せ!?
教会の玄関の前、道を隔てて朝市(ふれあい市場)があります。評判が良くて朝7時開店の1時間前には もうたくさんの人が来て開くのを待っています。
今はいろいろな種類の花を始め、スイートコーン、ジャガイモ、たまねぎ、たけのこ、大根、にんじん、その他さまざまな 青野菜が100円均一で売られています。
安全と健康を目指すふれあい市場の品物は無農薬で、かつ新鮮、おまけに安いときているので、遠くからも買いに来られます。 中にはここで大量に品物を仕入れて、それを町で小売している人も見かけます。
ここに品物を提供しているのは生活研究グループ連絡協議会の人たちで、1986年50数名で始めたのが今は200名を超える人が 会員になっているそうです。それらの人々が自分のうちの畑や家庭菜園等で作った品物を持ってきて、当番制で販売しています。 提供者はほとんどが高齢者で、その中には趣味の延長線上で野菜作りをしてここに納めている方もたくさんおられるようです。
生産者のおばあちゃん達はみな明るくて生き生きとしています。大根など3本くくって100円で売られている時もあるので、 利益なんてほとんどないのではないかと案じられます。しかし、自分の作った野菜を皆さんが喜んで買って帰られるのを見ることで、 生きがいを感じておられるのだと思います。
私の母は認知症になり、今は週3回デイ・サービスに行ってお風呂に入れてもらったり、お食事をしたり簡単なゲ−ムをしたりして 帰ってきます。そのほかの日は所在なさげに一日ぼんやりして過ごします。
それを見ていると母も、この方々のように生きがいを持って前向きに生きておれたら、もっと日々を楽しく過ごすことができ、 また認知症になることを抑えられたのかもしれないと思ったりします。
人間が生きていくのに大切なのは生きがいがあるかないかで、毎日何にもしなくてもおいしいものを食べ、 楽しいことが出来る良い生活を過ごせることではないように思います。もっとも、母がそのような優雅な生活を送れてきた というわけでは決してありませんが。
悠々自適とか、ひだりうちわの生活にあこがれて将来はそのような生活を願う人もたくさんおられるかと思います。しかし、 そのような生活では真の幸せを実感するために大切な生きがいを得ることはできません。したがって、若い内に人の役に立つ生きがいを 得られるものを探しておくことが大切かなと感じます。
牛がいなければ飼い葉おけはきれいだ。 しかし牛の力によって収穫は多くなる。箴言14:4
農家に牛がいなければ牛舎はいつもきれいです。一方牛がいれば、牛に食べさせたり、牛舎を掃除したり、糞を処理したりと 厄介な仕事がたくさん出てきます。しかし、その労苦によって多くの作物を収穫することができます。
そのように、野菜作りをしていれば、絶えず天候を気にし、肥やしを撒き、害虫に注意して炎天下も働かなければなりません。 しかし、その労苦が生きがいを生み、豊かな人生を収穫させてくれるのではないでしょうか。