050918
子供達の水泳大会
先週2日間にわたって、喜入小学校で水泳大会が行われました。子供達はランドセルのほかに、 水泳道具の入った水泳バッグを提げて登校します。
大会は、5,6年生、3,4年生、1,2年生と3回に分かれて行なわれました。学年が下がるごとに観客は増え、 お父さんお母さん方がビデオを片手に自分の子供の登場を待ちます。
たくさんの子供達がいる中で、皆自分の子供しか目に入らないような真剣さで、ビデオやカメラを構え、子供のがんばりを見つめ 喜んで応援します。
子供達には、親が自分の子をいつくしむ大きな愛をどこかで感じとって欲しいなあとつくづく思います。そうすると中高生になって 親に反抗する時の態度もおのずと変わってくるのではないかと思います。
さて、水泳大会の特徴は、第1コース○○君、第2コース○○さんと出場者の名前が一人ひとり呼び出されることです。 運動会やほかの競技と違って、一人ひとりが大切に扱われているように感じます。
今はスイミングスクールに通っている子も多いので、小学生でもバタフライや背泳ぎの競争まで行われます。今年は背泳ぎで、 最初バセロで泳ぎ途中から水面に出て背泳ぎで泳ぐ子がいてびっくりしました。このようなことは昔では考えられないことです。
また、上級生になるとクラス対抗のリレーが必ず行われます。お父さんお母さん方も先生も子供達も自分達のクラスに、 盛んに声援を送ります。水泳大会の醍醐味はやっぱりクラス対抗リレーでしょう。
私の妻にはそのリレーで衝撃的な、忘れられない思い出があるそうです。そして、子供達の水泳大会を見るたびにそのことを 思い出して涙が出てくるというのです。
それは長男が小学校4年生の時のことです。泳げなかった彼は夏休み、毎日学校のプールで行われた特別訓練に出かけて、 一生懸命泳げるように努力しました。その甲斐あって夏休みが終わるころには何とか25メートル泳げるようになりました。
その彼を担任の前田先生は、水泳大会のリレーでアンカーに抜擢したのです。以下は妻から聞いた話です。
いよいよクラス対抗リレーが始まりました。彼のクラスは順調に順位を上げトップでアンカーの彼に引き継ぎました。 「よーし、がんばるぞ。」という顔をした彼が勢い込んで飛び込みました。
それから彼の懸命の泳ぎが始まりました。彼は彼なりに一生懸命泳ぎます、しかしいかんせんやっと泳げるようになったばかりの 彼は、水しぶきが上がる割にはなかなか前に進みません。そのうちに他のクラスの選手が追い越して行きます。結局彼はビリでゴール することになりました。また、男子だけでなく女子のリレーでも全く同じようなことが起き、彼のクラスは惨敗してしまいました。 応援に来ておられた保護者の方々からは、何で遅い子を選手に選んだのだろうかと先生への非難が強まりました。
しかし、次の学級PTAで、先生は「佐多君と外園さんは特別訓練に一日も休まず参加し、一生懸命努力して泳げるように なりました。私は水泳の上手な早い子を選ぶより、この夏最も努力した子をアンカーに選び、それをお母さんたちに 見て欲しかったのです。」と言われたそうです。
私たちは小さなことにおけるまで、勝ち負けにこだわります。しかし、それに熱中する余りに、もっと大切なことを 見逃してしまうことがあるのではないでしょうか。
主人は彼に言った。「よくやった。よい忠実な僕だ。あなたは、わずかなものに忠実だったから、 私はあなたにたくさんのものを任せよう。主人の喜びをともに喜んでくれ。」マタイ25:21