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雨の日の登校

久しぶりに雨が降り、子ども達は傘をさしての登校になりました。雨の日になると歩いて通る子が極端に少なくなり、 お母さん方が車で送って行かれる姿を頻繁に見かけます。

それでも傘をさして少し濡れながらも水溜りを避けて歩いてくる子ども達がいます。そこで彼らに声をかけます。『えらいね〜。 雨でも車で送ってもらわないで歩いて登校して。』すると、『お母さんに車で送ってと言ったら断られた。』と言って不満顔で 歩いていく子が何人かいました。しかし、なかには『お母さんが送っていこうか?』と言ったけど私が断ったのという子もいました。 また、『雨で靴下まで濡れてしまったね。』と言うと、『大丈夫。靴下の替えを持ってきているから。』と言って、雨の中を颯爽と 歩く子などさまざまです。

確かに雨の日の登校は、服がぬれたり、靴下が濡れたりと送り出す親としても心配なことが多いことでしょう。しかし、雨の日に 歩いて登校する経験も子ども達の自立のためには大切なように思えます。

子育てには子どもを愛し、受容する保護の部分と、しっかりした社会人に育て上げるために訓練する自立の部分の両方があります。 この両方ともが子どもの成長のためには重要で、どちらもおろそかにはできません。しかし、最近の子育ては概して保護の部分に 傾きがちで、自立の部分がなおざりにされているように思います。

過保護というのは今や日本の社会問題になっていて、その結果わがままで手に負えない子どもや、社会人になっても自立できない 子供が増えています。

子ども達はやがて、親元を離れて自立していかなければなりません。そのためにはいろいろな体験をさせ、多少の困難も経験させる 必要があると思います。雨の日に車で送ってあげることより、靴下の替えを持たせて送り出してあげることを考えるべきではないかなと 老婆心ながら思いました。

先日5年生の女の子が登校中、1年生の弟を指して『彼ね。今度のお正月にランドセルを買ってもらえるんだ。』と 教えてくれました。私がびっくりして『もう、買い換えるの?』と尋ねると、彼女は彼のランドセルを見ながら『これね、高校生の お兄ちゃんが使っていたお下がりなんだ。だから今度新しいのを買ってあげるの。』私はそれを聞きながら、小学1年の入学式に お兄ちゃんが使っていた古いランドセルを背負わせるお母さんの勇気に感動を覚えました。(昔はそれが普通だったのですが)

そういえば、このお母さんは5年の女の子が2年生のころ20円を返しに来たことがありました。私のうちは教会なので、 子ども達が「電話貸して」と言って、自宅に電話することが良くありました。彼女も2回ほど電話を借りたことがありました。 その時の電話代をお母さんが返しに来たのです。私が「いや、わざわざ返していただかなくていいんですよ。」と言うと、お母さんが 「いや、子どもの教育のためですから、ちゃんと受け取ってください。この20円は彼女のおこずかいのお金ですから。」と 言われました。

子どもの自立のために今何を教えるべきか常に考えながら、成長に合わせて子育てをしていくことは大切なことだと思います。

むちと叱責とは知恵を与える。わがままにさせた子は、母に恥を見させる。・・・あなたの子を 懲らせ。そうすれば、彼はあなたを安らかにし、あなたの心に喜びを与える。箴言29:15,17

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