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060219

同情でなく味で勝負

教会にいると、様々な施設等から募金のお願いや、障害を持った人たちが作った作品等を購入してくださいとの要請があります。 物によっては市価の数倍もするものもありますが、健康に生まれ、何不自由なく生活できている恵みを感謝しつつ、できるだけ要請に 答えられるようにしたいと思っています。

しかし、先日すばらしい作業所があることを知りました。それは東京カべナント教会にあるのぞみ園という福祉作業所で、そこで 作られるクッキーやケーキは安くておいしいとの評判でリピーターが多く、繁盛しているということなのです。

そののぞみ園がスタートしたきっかけは、そこの教会の付属幼稚園を卒園した、障害を持った子ども達が、成長し高校を 卒業する年になってから、就職先を探したのですが、ちょうどバブルがはじけた時期と重なって、どこも彼らを受け入れてくれる所が なかったそうです。そこで、その子達の自立のために教会が福祉作業所を作り、そのときの卒業生7名全員を受け入れてクッキーや ケーキ作りを始めたというのです。

そのとき掲げたのが「同情でなく味で勝負」という目標だったそうです。一般的には「ハンディを持った子ども達が作った物です、 彼らの支援のために買って下さい。」という感じで販売するのですが、それでは何時か行き詰ると思った主任は「一般企業に負けない おいしい物を作ろう」と、最初から、高い基準の目標を持ってスタートしました。

一般的に福祉作業所では、彼らのことを入所者と呼ぶのですが、ここではその呼び方をやめ、社員と呼んで、 自覚を持たせたそうです。そして、それぞれのハンディに目を向けないで、彼らができることをそれぞれが精一杯行ない、お互いが 協力し合い、助け合うことによって、より良いものを作り提供しようとして来られたそうです。

しかし、そのような目標を掲げること自体は比較的容易でも、現実は計量を正確にできるようになるまで、半年以上かかったと いわれる子ども達を、名目共に社員と呼ばれるほどに成長させられた背後には大変なご苦労があられたと思います。ただ、この子達を 自立させたいという深い愛がそれを可能にされたのでしょう。

ビデオで彼らの仕事ぶりを見ることができました。生地をこねる人はひたすらこねることに専念していました。計量する人も 一生懸命仕事に取り組んでいます。袋につめる人、シールを貼る人もそれぞれ真剣そのものです。

彼らの丁寧で心のこもった仕事ぶりを見ていると、もう立派な職人さんだなと感じました。彼らの仕事にかける真剣さが、他では 真似が出来ないおいしく評判の良い製品を作りださせているのだと思いました。

彼らが自分の仕事に愛とプライドを持って励んでいる姿を見ると、健康で何不自由なく生活ができている私が、自分で好んで 飼育はじめた金魚の水槽の水を変えることでさえ、毎日から二日に一遍になり、三日や四日に一遍と、どんどん間隔が開いてきて しまっていることを思い、適当に手を抜く自分の姿勢を恥ずかしく感じました。

小さいことに忠実な人は、大きいことにも忠実であり、小さいことに不忠実な人は、 大きいことにも不忠実です。ルカ16:10

小さいこと、人の目に付きにくい、評価を受けにくいことを、手を抜かないで忠実に行うことはとっても大切なことです。神様は すべてを見ておられて、必ず報いてくださいます。

善を行うのに飽いてはいけません。失望せずにいれば、時期が来て、刈り取ることになります。 ガラテヤ6:9

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