060305
自分のすべてを注いで
イタリアのトリノで行なわれた冬季オリンピックが閉幕しました。日本選手団からなかなかメダル獲得のニュースが入ってこない中、 最後の最後に女子フィギュアで荒川静香選手が金メダルを獲得したニュースが飛び込み、日本中が喜びに沸きました。また、彼女の 銀板での華麗なすべりには世界中が釘付けになり、彼女の素晴らしい氷上演技を称賛しました。
また、彼女だけでなく、４位に入った村主選手や、誰も成功していない４回転ジャンプに果敢に挑戦した安藤選手も素晴らしい 精一杯の演技を見せてくれました。
南国の私たちにはスキーやスケートに接する機会はほとんどありませんが、私は福岡での大学時代にスケート場に行く機会が何度か ありました。普段から靴を穿いているみたいだといわれるほど甲の高い変わった足の持ち主の私は、スケート靴を履いてその場に立つ だけで安定の悪いこと、グラグラしながら氷の上に立つ前に足首が痛くなりました。
ただでさえツルツルすべる氷の上になんで包丁の刃のようなものの上に乗って立たなければならないのだと足首の痛さもあって不平が 出てきます。リンクの上に立つと不安定この上なし、ただ手すりを捕まえてじっと立つのみです。少しでも手を離そうものならツルッと 滑ってしりもちをつきます。いっその事お尻で滑って回ろうかと思うほどです。
ですから前に滑ったり、後ろ向きで滑ったり、ジャンプしたり、高速で回ったりと目まぐるしく銀板の上で舞う彼女らの演技を見ると その素晴らしさに圧倒されます。
しかし、あのような素晴らしい技術を習得するまでには並々ならぬ努力が、その背後にあったであろうことは、自分の経験を通して、 容易に想像できます。彼女達はこの日のために自分の生活のすべてを懸けて訓練し、調整してこられたことは間違いありません。
いや彼女達だけでなくすべての競技に出場された各国の全選手が日々血のにじむような努力をし、節制をして体調を整えて本番を 迎えられたことでしょう。メダルを取れた選手だけでなく、すべての選手に対して「たくさんの感動をありがとう」と心から労を ねぎらいたいと思います。
さて、聖書はクリスチャンに対して彼らの努力の姿勢を見習うように教えています。
私はすべてのことを、福音のためにしています。それは、私も福音の恵みを共に受ける者と なるためなのです。競技場で走る人たちは、みな走っても、賞を受けるのはただひとりだ、ということを知っているでしょう。 ですから、あなた方も賞を受けられるように走りなさい。Ⅰコリント９：２３～２４
競技者は賞を得るために生活のすべてを懸けて努力します。フィギュアの選手に限らず、スピードスケートやスキー、 スノーボード、ボブスレーなど、どの選手も私たちの想像を超える並々ならぬ訓練が背後にあって、初めてオリンピックの場に 立てたのだと思います。
しかし、私たちは多くの人に最も重要な救いの喜び、永遠のいのちを伝えるために自制と自己訓練をすべきなのです。私が３０歳で 初めて救いの喜びを知った時、心の平安と内側から沸きあがる喜びのゆえにもっと早く知っていたらと思いました。これは救われた 多くの人が漏らす感想です。しかし、残念ながら多くの人がもっと早く教えて欲しかったと思いながらも、いったん救われると回りを 恐れてなかなか大胆に恵みを伝えようとしません。だから、オリンピックの選手が自分のすべてを懸けて鍛錬するように、あなた方も 全身全霊で救いの恵みの伝達者となりなさいと言われるのです。私も自分の栄光のためではなく、神の栄光のために、多くの人の救いの ためにベストを尽くせる者になりたいと思います。