060416
「ユダの福音書」???
先日、ある地方紙に「ユダの福音書」なるものが存在し、それによるとユダの裏切りはイエス・キリストの指示によるものだった という記事が出ていました。聖書を知る者にとっては全くありえない馬鹿げた記事ですが、一般の方々にとっては興味をそそる面白い 記事として読まれるのだろうと心配しています。
それぞれの福音書はイエス様の死後、イエス様の死を通して与えられる救いの福音を理解した弟子達によって紀元50年代ごろから 書かれ始めました。それは、弟子たちがイエス様の福音の恵みを正しく理解できたのはイエス様の復活の後だったからです。
しかし、ユダはイエス様の十字架の死と復活を確認することなく、自分の罪の大きさに耐え切れないで紀元30年代に首をくくって 自殺してしまいました。彼には福音書を書く時間などありませんでした。
そして、もしユダの裏切りがイエス・キリストの指示によるものなら彼が自殺する理由など何もないことになります。他の弟子達は みなイエス様が捕まったとき、イエス様を残して一目散に逃げ去ってしまいました。しかし、後でペテロだけは連れて行かれる イエス様の後をこっそり着いていきました。そして、大祭司の中庭に入り、人ごみに紛れて、イエス様の裁判の様子を見ていました。 しかし、そんなペテロに向かって「あなたもイエスの仲間だった。」と突然、女中に言われた時、彼は「違う。そんな人は知らない。」 と3度も否定してしまったのです。そんな彼やイエスをおいて逃げた他の弟子達でさえ自殺しなかったのに、ユダが本当にイエス様の 指示を受けていたのなら、彼が自殺するなどありえなかったでしょう。
しかし真相は、イエス様が弟子達と最後の食事をするとき、「あなた方のうちの一人が私を裏切ります。」と言われ、続いて 「確かに、人の子は、自分について書いてある通りに、去って行きます。しかし、人の子を裏切るような人間は呪われます。そういう 人は生まれなかったほうが良かったのです。」(マルコ14:21)とはっきりユダの裏切りのことを言っています。それでも彼は 銀30枚でイエス様を売り渡す約束を、イエス様をねたみ敵対していた祭司長、律法学者としてしまったのです。後で、イエス様が 苦しむのを見て彼は祭司長達のところに行き「私は罪のない人を売ってしまった。」と言って銀貨を返そうとしました。しかし、 祭司長達は「それは私たちの知ったことか」と言ってはねのけました。そこで、彼はその銀貨をそこに投げ捨てて出て行って自殺して しまったというものです。
また、いま「ダ・ヴィンチ・コード」という小説がベストセラーになっていて、もうまもなく映画が封切られることになっています。 しかし、これもキリスト教を題材にしていますが、内容は全くでたらめです。これで作者のダン・ブラウンは「ヘンリー・ロビニューの 秘密の記録」と呼ばれるプランタールがでっち上げた記録に基づいて書いてあります。フランスの裁判所がプランタールの詐欺行為を 認めさせる判決をしているにもかかわらず、彼はこれを正当なものとして扱っているのです。
しかし、これらのことはすでに聖書から警告されていたことなのです。イエス様に弟子達が「世の終わりにはどんな前兆が ありますか。」と聞いたのに対して、イエス様は次のように言っておられます。
そこで、イエスは彼らに答えて言われた。「人に惑わされないように気をつけなさい。・・・・ 偽預言者が多く起こって、多くの人々を惑わします。不法がはびこるので、多くの人の愛は冷たくなります。」 マタイ24:4,11〜12
しかし、御霊が明らかに言われるように、後の時代になると、ある人は惑わす霊と悪霊の教えとに 心を奪われ、信仰から離れるようになります。テモテ4:1
このようなことは今後も起こります。私たちは真理にしっかりたって、惑わされないように気をつけましょう。