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060507

自然に親しもう

ゴールデン・ウィークに入りました。わが喜入町は鹿児島市街と観光地・指宿市の途中にあるので、県外ナンバーの車も加わって、 道路がかなり混雑してきました。鹿児島市街に通じる海岸線の道路を車で走ると、波打ち際で戯れる家族連れがあちこちに 見えました。

人間にとって自然に接することはとっても大切なことではないかと、この頃つくづく思うようになりました。毎日セメントの 壁の中で、テレビや映画、ファミコンやインターネットばかりに接するうちに、私たちのいのちが潤いをなくして、犯罪の凶悪化や、 低年齢化が進んできた一因になっているのではないかと思います。

有難いことに、私は父の仕事の関係で、自然豊かな屋久島で育ちました。家の前は大きな川の河口になっていて、学校から帰ると、 前の川に行って浅瀬で遊ぶ小魚の群れを追いかけたり、砂浜を走りまわって遊んでいました。

また、よく魚釣りもしました。自分達で釣り竿になりそうな良い竹を探し、それを切って来て、その青い竹が薄茶色になるまで 天日で乾かします。乾いたら、先のほうを火に当ててさおの形にゆっくり曲げていきます。それにテグスや浮き、錘と釣り針を付けて いくのです。釣り針の結び方などは年上のお兄ちゃん達が一つ一つ丁寧に教えてくれました。

それで魚釣りに行くのですが、川で釣り糸を垂れていると、必ずショウブ(現地名)という黄色の縞模様の小魚が寄ってきて、 小さな口で釣り針に付いている餌だけを上手に食べてしまいます。そのような中でやっと釣った川魚でも、小さいうえに骨が多いので 食べ難くて、余り家族に評判は良くありませんでした。それで海の岩瀬に行っての海釣りもよくしました。海ではくさび(現地名)という 緑色をした15センチほどの魚がよく釣れました。海でも赤や緑などの鮮やかな色をした海ヘビがよく釣れて困りました。

兄は釣りが上手でカワハギや太刀魚などを釣ってきていました。しかし、兄が一番得意なのはうなぎ釣りでした。兄は夕方になると うなぎの罠を仕掛けに行きます。うなぎの罠は細いよま(現地名)と呼ばれる丈夫なひもの先に5センチ程の木や竹の棒をくくりつけ、 そして反対側の先端に釣り針をつけるという簡単なものです。

それの針に餌のミミズを付け、30センチほどの竹の先端に引っ掛けて、海岸の石と石の間にそれを差し込み、竹をそーっと 抜きます。餌の付いた針は穴の奥にあり、反対の棒は穴の直ぐ外の川面に浮いています。そのような罠を何本も仕掛けておき、 明くる日学校に行く途中にうなぎがかかっているかを点検しながら歩きます。浮いていた棒が引き込まれて、穴の入り口に引っ掛かって いる罠があったらうなぎがかかっている証拠です。それを見つけて引っ張り出すとうなぎが引き出されてくるという具合です。 当時母が、兄が学校に行く途中によく走ってうなぎを持って帰って来ていたと不思議がっていましたが、こういう訳だったのです。

当時はテレビもなく、ファミコンもなく、映画館もなく、立派なお家もありませんでした。毎日が自然に触れ、自然に育まれて 生きていました。神様の造られたものに触れていると自然と優しさが生まれ、喜びと活力が湧き上がってきました。

そのようにして神はお造りになったすべてのものをご覧になった。見よ。それは非常に良かった。 こうして夕があり、朝があった。第六日。創世記1:31

神様は私たちに素晴らしい自然を与えてくださいました。自然にたくさん触れることによって、優しさや思いやりの 心を養いましょう。


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