060528
アジサイの花ありがとう
毎朝、教会前の十字路に立って、子ども達の交通整理をしています。交差点で待ち合わせをする子もたくさんいて、いろいろな話を してきます。
りほちゃんのおじいちゃんの家には馬が9頭いて、彼女は毎週土曜日に、そこに乗馬に行きます。毎朝通りながら乗馬の仕方や、 馬のブラッシングのこと、馬小屋の掃除のことなどいろいろ教えてくれます。そして先日、ついに待ちに待った子馬が生まれた そうです。「子馬はね、生まれて直ぐ立ち上がることができるんだよ。今は可愛くて外に連れ出したりするけど、まだ乗っちゃ いけないんだよ。」と話してくれました。
また、まみちゃんとけいちゃんの姉弟は連休におじいさんの家に行って、それから宮崎のこどもの国に行ってきたこと、楽しかった 様子を教えてくれました。
それから、みほちゃん、ほのかちゃん、まなかちゃんは5年生仲良し3人組です。交差点に立っているとみほちゃんは正面から、 右からまなかちゃん、左からほのかちゃんと3方向からそれぞれ歩いてきて、ここで合流して学校に向かいます。
男の子も女の子も私とハイタッチして通るのですが、なぜかみな近くになると小走りになってタッチして通り過ぎて行きます。 歩きながらタッチするより雰囲気が出るのかなと思います。
さて先日、1年生のたっちゃんが泣きながら歩いてきました。隣にいたお姉ちゃんのはるかちゃんに「たっちゃんどうしたの?」と 聞くと、「あのね、来る途中で体操服を忘れたのを思い出して泣き始めたの」とのこと。今度はたっちゃんに「体操服忘れたの?」と 聞くと泣きながら「うん」とうなずきます。小学1年生にとって、体操服を忘れてしまったというのは大変なことです。そこで、 「たっちゃん。おじさんが電話貸して上げるから、お母さんに電話して御覧なさい。」と言いました。しかし、そう話しながらお母さんは 他の学校の先生なので、もう出掛けたかもと不安がよぎりました。そこで「お母さん、お家にいたらいいね。」というと、お姉ちゃんが 「大丈夫。携帯の番号知ってるから。」と言って、まずおねえちゃんがお家に電話しました。すると、お母さんが出たので、直ぐ たっちゃんに変わりました。こういうところはお姉ちゃんはシビアーだな。「自分のことは自分で処理すべし」って言うところだろうな と思いました。
たっちゃんの電話を受けてお母さんが直ぐ車で届けに来てくれました。しかし、二人はすでに学校に向けて歩き始めていたので、 その旨手真似で運転席のお母さんに合図をすると分かられたようで軽く会釈して通り過ぎて行かれました。
明くる日、たくさんの子ども達に混じって登校する、昨日とはうってかわった、明るい顔のたっちゃんの姿がありました。そして、 彼は新聞紙に包まれたアジサイの花を大切そうに持って歩いて来ました。私の前に来るとニコニコ笑いながら「おじちゃん。昨日は ありがとう。」とそれを渡してくれたのです。私は「えっ、おじちゃんに。ありがとう。」とそれを受け取って、後で外から一番良く 見える教会のガラス戸の内側に花瓶に入れて飾りました。
(イエスは)言われた。「まことに、あなた方に告げます。あなた方も悔い改めて子ども達のように ならない限り、決して天の御国には、は入れません。だから、この子供のように、自分を低くする者が、天の御国で一番偉い人です。」 マタイ18:3〜4
この御言葉は弟子達が「自分達の中で誰が一番偉いか。」と議論をはじめ、イエス様に聞いたとき、イエス様が語られた言葉です。 自分を立派だと思ってへりくだっていない人は、天国への福音の恵みにあずかることはできません。子ども達の純粋さと無邪気さを 見て、私たちも、へりくだりと自分を低くすることを学びたいと思います。