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060611

世界の食糧事情

今月は世界の飢餓についての講和を喜入中、錫山中と西谷山小の3校からお願いされています。世界の飢餓の現状を学校関係で お話させていただき始めて10年程が経ちますが、日本の飽食の現状を見るにつけ、この頃とみにその重要性を実感するように なりました。それは、また長年エチオピアの飢餓のために働かれて、最近日本に帰ってこられた森田さんのメールからも窺われます。

森田さんのメールの一部を次に紹介します。

私が働いていたエチオピアと言う国は、いわゆる最貧国の一つ。昨年ホワイトバンドが流行って「3秒に一人」が飢餓で 苦しんでいる、と言う大々的なキャンペーンが行なわれましたが、実はそんなことで騒がなくても、ずっと前から私の周りで、 予防できる下痢やマラリヤで小さな命が犠牲になっているのを目にしてきていたのです。

そして、貧しい田舎の人々はそれこそ一日一食、二食で、飲み水(ほとんど泥水)を汲みに1時間、子供が学校まで歩いて2時間、 小さな穀物を売りに奥さんが週末は5時間以上も炎天下を歩く。電気、きれいな水、十分な食べ物もない、教室は150人の生徒で すし詰め。貧しい村でしたが、でも、人々はなんだか元気でした。「ああ、結構人間って丈夫なんだ」と。

そして、少ないものをみな分け合って食べているのです。彼らが食べている最中にちょっとでも私が現われると、「それって あなたたちにとって最後の食べ物でしょ?」というものでさえ、すぐに私たちに差し出すんです。自分にそんなことできるだろうかって ことがよくあり、恥ずかしい思いをなんどもしました。・・・

そして、帰国した日本・・・目にいるものすべてがおいしそう。金さえあればいつでも食べられる。そして、「まずいもの」って いうのがない!・・・でも、これをもってして、「幸せなの?」と思ってしまいます。

帰国以来たったの1ヶ月で、なんと恐ろしい事件が日本で連続して起きていることか。子供が両親を殺す、高校生が中学生を殺す、 先生の注意にむかついて先生の食べる食べ物に薬物を混ぜる・・・。大阪にいる1週間の間に、ほぼ毎日人身事故で電車の遅れ。

こんなことエチオピアでは考えられません!まず、子供が親を敬わなかったら、警察が出てくる前に周りにいる親達が戒めて、 何とか教育します。常識を教えます。与えられた環境でベストを尽くすことをチャレンジさせられます。そして、自分の命を絶つなんて ことはありえない。みんな生きるのに必死なんですから。・・・

こんなに飽食、美食の日本になっても、否、世界から多くの食糧を「これでもか、これでもか」とかき集めて贅沢の限りを 尽くした結果が、これです。心の空虚感・・・。そして、命を粗末にし始めた・・・。

(中略)

食べ物に囲まれても、結局「幸せ」になっていない日本。これから大丈夫かいな?と思っているのです。

食べ物を粗末にし始めた頃(大体私が子供の頃から始まったような気がしますが)から、命を粗末にし始めたといっても 過言ではないでしょう。

彼のメールを見て、日本人が豊かになることを追い求めてきた結果、最も大切な思いやりや、優しさ、ひいては命までをも、 なおざりにしてしまったことを反省させられます。

一切れのパンがあって、平和であるのは、ご馳走と争いに満ちた家に勝る。 箴言17:1

私たちの豊かさは、彼らの貧しさの上に成り立っています。共に支えあい、共に助け合う世界の実現のため。また、物や命を大切に する日本になるように、何が大切かを伝えて行きたいと思います。


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