060716
人にはどれだけのお金が必要か?
久しぶりに次男が東京から帰ってきました。彼は大手の電機メーカーに勤めていて、今目まぐるしく進歩していく携帯電話の開発 競争の渦中にいます。それで、5月の連休の時も、私が「連休は休みじゃないの?」と聞くと、「うん。会社自体は9連休なんだけど、 私たちの部門は休み無しなんだ。」との事。彼から電話が入る時は大体夜の11時過ぎてからで、「今仕事が終わって帰宅中なんだ。」 という様な、かなりハードな勤務体系の中で、毎日コマネズミのように働いてる様子です。
その彼がようやく休みが取れて帰郷してきたので、色々なところに連れて行きたいと思うのですが、今度は私たちの方がなかなか 時間が取れません。そんな中、彼を連れて近くの食事ができる喫茶店「ゆとり」に行きました。
そこの女将さんはとても気さくな方で、店に入る時いつもかけてくれる「いらっしゃいませ〜」の明るい声に、みんな 元気づけられます。また、お昼のランチは550円で美味しい定食に本格的なコーヒーまで付いています。ご主人とおふたりでお店を 切り盛りしておられ、もう子供さん方もそれぞれ独立して家庭を持っておられるので、欲がありません。
よく色々な店で見られる「商売繁盛」「千客万来」などと書かれた額等は全く見当たりません。逆に繁盛してお客さんがたくさん 来られて、忙しくなるのは余り嬉しくないようなのです。だから、私たちに小声で「お客さんがボチボチ来るのが一番いいの。」と 言われます。駐車場も広く、座席も40脚位はあるので、もっと宣伝して頑張ったらたくさん儲けられそうなのに、そんなことは全く 考えていません。以前、教会のほうに団体のお客さんが来られたので、食事に行こうとしてそのお店に「すみません。13人の団体 なのですが、食事にいっていいですか。」と聞いたら「ごめんなさい。お断りします。」と言われてしまいました。欲がないって 強いなと思います。
先日、本屋で「人は一生にどれだけの土地が必要か」と言う本を見つけました。残念ながら買いそびれてしまいましたが、 次のような内容だったと思います。
ある人が1日で歩いた土地を全部あなたにあげようと言われて、朝早くから歩き始めて「もうちょっと、もうちょっと」と欲を出して 先に先にと歩いているうちにとうとう日没まで帰れなくなったばかりか、ついに息絶えて死んでしまった。そして、最終的に彼が 必要とした土地は、彼の棺おけを埋める一坪ほどの土地だったという話だったと思います。
金銭を愛する者は金銭に満足しない。富を愛する者は収益に満足しない。これもまた、むなしい。 伝道者の書5:10
先のホリエモンの事件も、村上ファンドの事件も客観的に見ていると、人はどこまで儲けたら満足するのだろうと思わされます。
また、杉田○○○さんという女優さんが金持ち実業家と結婚するといって盛んにセレブ婚、セレブ婚と騒がれました。それによって 彼女が大きな幸せ掴んだように報道されていましたが、良く考えたら、彼女自身がセレブです。日本の中でセレブと言うことは、 世界的に見たら桁外れのセレブな人生が送れている人です。その彼女がもっとセレブな金持ちと結婚できたら更に幸せになれるはず というのは、危険な発想だと思います。
人はそれぞれ自分の欲に引かれて、おびき寄せられて、誘惑されるのです。欲がはらむと罪を生み、 罪が熟すると死を生みます。愛する兄弟たち。だまされないようにしなさい。ヤコブ1:14〜16
今企業は食うか食われるかの厳しい戦場の中にあります。企業戦士として頑張っている次男も、早くゆとりある生活を送れるようにと 祈ります。