060827
トーマス楽しい思い出ありがとうV
トーマスとの最後の日、恵悟は模擬テストで朝早く家を出ないといけないので、彼にお別れを言おうと、しばらく隣の部屋で 待っていました。しかし、彼が起きてくる気配がなかったので、お別れの手紙を走り書きして、置いて出ました。
この日は、私が彼と一緒に朝食を食べることにしました。彼に「私たち夫婦は普段、朝食を摂らないんだよ。」と言うと「なぜ?」 と聞いたので、「太ってるから。」と答えました。すると、彼は「太っていない、太っていない。」と慰めてくれました。次に私に 「年はいくつ?」と聞いたので『57歳』というと、「若い。40歳に見える。」と上手にお世辞も言いました。
模擬テストで早く家を出た恵悟が、彼に残した手紙には「残念ですが、模擬テストで早く家を出ます。君と共に過ごした時間は とっても楽しかったです。今からの君の旅行も素敵なものとなるように。恵悟。」と短く英語でつづられていました。彼はそれを じっと読んでいましたが、やがて大事そうにバッグに仕舞い込みました。
私が、『君と君の家族のためにお祈りしても良いですか?』と聞くと、彼が『ありがとう。お願いします。』と言ったので、彼の 旅行の安全と彼のご家族の祝福のために日本語でお祈りしました。彼は神妙に目を閉じて祈りを聞いていました。
朝食後、彼は自分の携帯電話の番号とドイツの家の電話番号、それにメールアドレスを書いて渡してくれて、「また会いたいので、 ドイツにも是非来てほしい。」と別れを惜しんでくれました。私も短い交わりの期間だったけど、彼といよいよお別れかと思うと、 少し寂しさを感じました。それから、彼が「何時に家を出る予定ですか。」と聞いたので、「8時10分過ぎにしよう。」と言って、 私も2階に上がって出発の準備をしました。
家を出発する時になって、私の同居している(ショートスティで不在だった)母親に渡せなかったので、私から渡して欲しいと ドイツのお土産をくれました。私たち3人はすでにたくさんお土産を貰っていたので、母にまで戴いて恐縮しました。
それから、彼を公民館に送っていきました。公民館で行われたお別れ会にはトーマスと隣同士に座ってお話を聞きました。会が 終わって、外に出るとすでに迎えのバスが来ていました。トーマスは私の車から自分の荷物を降ろしてバスに乗り込むと、バスの中から 盛んに手を振ってくれました。私は空港に向かって走り始めたバスを見ながら、トーマスとの楽しかった一つ一つの出来事を 思い出しました。
今回は市の教育委員会からドイツのスポーツ少年団との国際交流のホストファミリーになってくれるように要請されお引き受け しましたが、終わってみると、こちらの方が良い経験と楽しい時を持たせていただいたと感謝しました。そして今回、ホスト ファミリーをさせて頂いて良かったなとつくづく思いました。
今回の国際交流で好印象を得られた理由としては、私の家にホームスティしてくれたトーマスがとっても気持ちのいい、好青年 だったことが大きかったと思います。また、スムーズではないまでもお話ができ、楽しい交わりがもてたことも良かったと思えた 要因でした。
ただ、高校の息子がちょうど模試で彼と一緒に行動できなかったことが残念でした。トーマスの為にも同年代の息子との一緒の時を、 もっと与えてあげられたら良かったのになと思いました。
今回、このような国際交流の機会が与えられ、とっても良い経験ができたことを感謝しています。この交流を通して、ドイツの ことをもっともっとたくさん知りたいと思いました。このような機会を与えてくださった関係者の皆さんに心から感謝します。
自分にしてもらいたいと望むとおり、人にもそのようにしなさい。ルカ6:31