070610
千葉紀行W
千葉に来て3日目、息子夫婦が美味しい魚介類を食べさせてくれると、近くの刑部岬にある海辺里(つべり)と言う民宿兼食堂という 様な造りのお店に連れて行ってくれました。そこに息子はあらかじめ、牡蠣(かき)料理を予約していたようでしたが、それらの準備に 手間取っている様子でなかなか出てきません。そこで、先ごろ新聞で紹介されたというさんまの姿寿司という珍しい料理を注文して、 それを3人で先に頂きました。それから、おいしい磯料理、生牡蠣と焼き牡蠣を堪能しました。
食後すぐ近くにある刑部岬の展望館まで歩いて行きました。ここの展望台は昨日のそれらとは違って無料で入場できました。 エレベーターで3階の展望台まで昇ると、南西方面に"東洋のドーバー"と呼ばれる『屏風ヶ浦』の断崖絶壁が見え、その先に九十九里浜が かすんで見えました。そして、この展望台にはさらに無料で見られる望遠鏡まで2機取り付けてあったので、早速覗いて見ることに しました。太平洋の大海原に2艘の船が並んで浮かんでいるのが見えたので、その船に照準を合わせ、覗きました。「すごい。すごい。 あの遠方にかすんで見える船がすぐ目の前に見える。船の中を歩いている人まではっきり見えるぞ。」と想像を超える望遠鏡のすごさに 驚嘆し、興奮を隠せませんでした。そこで、もう一艘の船の方も見ようと望遠鏡の先を動かしました。
しかし、いくら動かしても海ばかりで何も見えてきません。何度も目で確認し、望遠鏡の先を合わせて見ても、どうしても一艘しか 見えてこないのです。「なぜもう一艘の船は望遠鏡には映らないのだろう。こんな不思議なことってあるのだろうか。これを確認する までは帰るわけにはいかないぞ。」しつこく海のほうを見たり、望遠鏡を覗いたりしているうちに、ついに謎が解決しました。それは 2艘の船が浮かんでいるずっと先にもう一艘かすんで見える船を発見したからです。「無料(ただ)なのに何という立派な望遠鏡 なのだろう。」と嬉しくなりました。
千葉観光の2日間天気にも恵まれて、良い思い出をたくさん作ることができました。しかし、私が帰る日は朝から土砂降りの雨です。 息子が仕事に出た後、嫁が車でバス停まで送ってくれましたが、バス停近くには車を駐車するスペースがありません。また、車には 3ヶ月の孫も乗っているので、外に出て風邪でも引かせたら大変です。わたしは傘を借りて、車を帰して、バス停で東京行きのバスが 来るのを待ちました。バス停といってもただの道路脇にバス停の標識が立っている程度の所です。そして、降りしきる雨の中でバスを 待っているのは私一人です。降りしきる雨の中、バスの来る方を見ていても一向に来る気配がありません。激しく降り続ける雨の中、 少しずつ不安になってきます。
すると15分ほど遅れてようやくバスが来ました。急いで乗り込むと運転手が不機嫌そうな声で「運賃 先払い」と言われます。「エエッ。来る時のバスは後払いだったのに。優しく教えてくれたら良いのに。払わないわけではないのに。」と 思いながら、運賃箱に料金を入れました。
世の中自分の考えた通りに行かないことが多々あります。海辺里では事前に予約していたのに、料理がなかなか出て来なかったり、 おかげで美味しいさんまの姿寿司を食べられましたが。また、事前に確認した天気予報では、良い天気が続くはずだったのに、全く 予想もしなかった大雨になってしまい、息子達の貴重な傘を鹿児島まで持って帰るはめになってしまったり、また望遠鏡の一件のように 自分の視野の狭さのゆえに、かってに興奮たりと人生予想しないことが良く起こり、恐れたり、悩んだり、思い煩ったり、 いらいらしたりします。しかし、神様は「心配しないでそれらのことを神に委ねなさい。」と言われます。
あなた方のうち誰が心配したからといって、自分のいのちを少しでも延ばすことができますか。 こんな小さなことさえできないで、なぜほかのことまで心配するのですか。・・・しかし、今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる 草をさえ、神はこのように装ってくださるのです。ましてあなたがたには、どんなによくしてくださることでしょう。 ルカ12:25・・28