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070715

幸せな人生の秘訣W

今回から楽(らく)して楽(たの)しく、悠々自適、左うちわの恵まれた生活は本当に幸せなのか?をいろいろな方面から 考えて見たいと思います。

さて、私は今年の12月で59歳になります。私と同世代の、いわゆる団塊の世代と言われる人たちは、退職金をたんまり(?) 貰って、時間とノルマに追い掛け回されない、悠々自適な、のんびり生活にもうすぐ入れることを楽しみにしつつ、最後の現役生活を 頑張っておられるのでしょうか。

いや、そのような生活ができる人は公務員や大企業に勤務しておられる、ごく一部の恵まれた人だけなのかもしれません。 ほとんどの人は、支給年齢が引き揚げられた年金を恨めしそうに眺めつつ、わずかな退職金を当てにして、退職後の仕事を探さなければ ならないのでしょう。いつまでも息を抜けない厳しい世の中になってしまいました。

昔の人は退職後、時間に縛られないで盆栽に熱中したり、家庭菜園を楽しんだり、家でごろごろしながら好きな本を読んだりと、 まさに晴耕雨読の、のんびり余生を楽しんで居られました。周りの人も60歳まで一生懸命働いてきたご褒美にゆっくり休んで おられるのだなと温かく受け入れてくれているように思えました。

しかし、驚くべきことに時間に追いかけられ忙しかった現役の仕事から解放され、このようなゆっくり人生に入った途端に大病を 患ったり、鬱になったりしてしまう人も結構おられたのです。それは人生にはりを失ってしまうことに起因しているように思われます。

以前にも書かせていただきましたが、ある不動産屋の会長さんが、70歳を目前にして今までのモーレツ人生と決別して、全く 仕事から離れて、これからは、「のんびりと余生を楽しむ」ことを宣言されました。そして、奥さんと共に楽しみを求めて旅行を 始められました。彼らは「日本国内500箇所以上回ったでしょう。海外旅行も50回以上行ったと思います。」と言われるほど、 お二人で様々な旅行を楽しまれました。ぶらりと来た田舎の古びた温泉宿に泊まったり、豪華客船に乗って優雅な船旅を楽しんだりと、 人もうらやむ素晴らしい余生をお二人で楽しんで居られるかのように見えました。

しかし、5年が経ったころから少し様子がおかしくなってきました。彼らが「幸せを実感できない。」と言い始めたのです。誰もが、 「何一つ問題がない、皆が憧れる素敵な人生を送っておられると思っていたのに、何故?」と疑問に感じました。すると、彼らが揃って 「生き甲斐がない。」と言われたのです。「なるほど、考えると楽しい日々かもしれないが生き甲斐はないかもしれないな。生き甲斐が ないと幸せを実感するのは難しいだろうな。」と彼らの気持ちが幾らか理解できたような気がしました。

そして、しばらくすると二人は旅行をやめて、ある介護施設にボランティアとして通うようになりました。そしてそこで、車椅子を 押してあげたり、洋服を着替えさせてあげたり、そのほか様々なお世話をされているうちに、「私たちは再び生き甲斐を取り戻した。 今また、幸せを実感できるようになったのです。」と喜んで言われたのです。自分達が苦労することによって誰かが生かされて行く。 また自分達の働きが、誰かに喜びを与え、人々の役に立っているということが生き甲斐と幸せを実感させたのでしょう。

すなわち、幸せは「楽しい、楽しい」の延長線上では生まれなかったのです。お二人が苦労して仕えることを通して、生き甲斐が 生まれ、その延長線上で幸せを実感できたのです。

したがって、私たちは幸せを得るために、率先して苦労を選ぶことを良くしている事実を、次週はじっくり考えること致しましょう。

私は心の中で言った。「さあ、快楽を味わってみるが良い。楽しんでみるが良い。」しかし、これも また、なんとむなしいことか。伝道者の書2:1

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