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071209

あなたも行って同じようにしなさい

私が朝、街頭に立って子供たちの安全登校の交通整理をしていると、いろいろな人が挨拶をして通って行かれます。その中には 90歳を間近にしたYさんもいて、よろよろしながらショッピングカーを押して朝市の野菜を買いに来られたり、お墓の方に登って 行かれたりします。傍から見ていると上手く歩いていけるか心配ですが、時間を掛けながらも結構上手に坂道や段差のあるところを 通っていかれます。

また、90歳を超えたKさんも良く朝市に来られますが、とっても元気な方です。彼女はしゃんと立ってショッピングカーを引いて 歩かれます。先日は「お宅のおばあちゃんと時々ディサービスでお会いするけど何歳なの?」と聞かれました。私の母は認知症ですので、 年齢を聞いても答えられないし、多分ディサービスでも皆さんにご迷惑をかけているのだろうなと思いながら、「いろいろお世話に なっていることと思います。ありがとうございます。母は今88歳です。」と答えました。すると、「あら、米寿なの。まだ若いね。」と 言われました。「エッ」と思いましたがKおばあちゃんから見たら確かに若いなと思いました。

毎日、街頭に立っているといろんな人に出会います。それもまた大きな楽しみです。しかし、よく考えると、ここを歩いて通るのは お年寄りと子ども達ばかりで、若い元気な人はみな車で通って行くので、何か不思議な気がします。

さて今日すがすがしい光景を目にしました。それは、以前教会学校に来ていた子供で、今は中学生になり部活等で忙しく、この頃 教会にご無沙汰しているT君が、私とちょうど対角線側で、信号が青になるのを待って立っていました。彼は背が高くなりあどけなさも 消えて、凛々しい学生服姿に無精ひげを蓄え、学生カバンと大きな補助バッグを肩に掛けて立っていました。すると彼の後ろで腰の 曲がったおばあちゃんがショッピングカーに大きなゴミ袋を積んで、それを押しながらごみステーションにゆっくり近づいてきました。 後ろを振り向いてそれに気付いたT君は、さっと振り返ると彼女の方に歩いて行き、ショッピングカーから積んであった大きなゴミ袋を ひょいと取り上げ、ごみステーションに被せてある網を退けてそこに放り込み、何事もなかったかのように信号を渡って学校の方に 向かって行きました。

小学生時代はやんちゃでいつも力を持て余していて、よくいたずらをしていた彼が、このように成長したのかと嬉しくなりました。 中学生時代というのは反抗期等で何かと問題の多い年頃なのに、このような優しい労りの気持ちを持って、それを照れずに行動に移す のは、とっても難しいことではないかと思います。しかし、このような小さな思いやりが社会を明るくするのだと思います。高齢化が 進んだ現代はこういうことがとっても求められている時代ではないかと思います。私も彼を見習って自分のできることを照れずに 気負わずに行なっていこうと思いました。

(この中で、誰が彼の隣人になったと思いますか。)彼は言った。「その人に哀れみを掛けてやった 人です。」するとイエスは言われた。「あなたも行って同じようにしなさい。」ルカ10:37

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