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080706

物価高騰の原因

7月からまたガソリン代が上って1リットル180円台にまでなりました。日本だけでなく世界中が相次ぐガソリン高騰に悲鳴を上げています。なぜ、 こんなに急激に上がるのでしょう。産出量が極端に落ちたという話は聞きませんし、中国やインドなどの開発途上国での需要が多少増えたと言ってもそんなに 極端には増えていなさそうです。

それでは何故?。実はオイルを投機対象として、投資家が需給に関係なく儲けのために買い占めている現実(マネーゲーム)があるのです。株式市場と いうのは一部の人の儲けのために世界中が振り回されるという有り難くない現象が起きることが間々あります。

しかし、まだガソリン代の高騰なら先進国だけへの影響なので何とか我慢ができますが、それが食料となると大変です。先日の新聞に「エチオピアで食糧 危機」という記事が出ていました。ユニセフによると、同国では昨年9月以降、穀物物価が50%から90%上昇し、340万人以上が緊急の食糧援助を 必要としていて、国連児童基金は推定12万6千人の子供たちが栄養失調で餓死の危機に瀕していると警告していました。

実はエチオピアだけでなく世界的にも穀物の値段が高騰して問題が起きています。世界銀行の推計では、過去3年に食料価格が83%高騰、小麦の価格に 至っては181%も値上げされているということです。それによって、カリブ海沿岸やアフリカ・アジア諸国ではデモや暴動が発生し、カメルーンやハイチでは 死者まで出ています。国連世界食糧計画のジョセット・シーラン事務局長は今年の4月、ロンドンで行われた食料サミットで、「飢餓という沈黙の津波が世界の 最貧国に押し寄せている」と警鐘を鳴らしています。

食料高騰の原因の一つは、トウモロコシを車のバイオ燃料にしていることが挙げられます。しかし、それにもまして食料を投機の対象にして儲けを企んで いる投資家の問題があります。アメリカの投資家がテレビのインタビューに応じていました。「あなた方の株取引によって食料価格が高騰して最貧国が 困っている現実をどう思いますか」という質問に対して「これはビジネスです。別に法に触れることをしているわけではありません」。続いて「しかし そのせいで開発途上国の人が飢餓に瀕しています。」に対しては「それは政府がやることで、私には関係ありません。私はただ儲けることが目的です。」と 言っていました。日本でも以前、投資家の方が、「儲けるって悪いことなんですか。」とテレビに向かって言っていました。確かに株取引は合法な行為です。 しかし、それによって苦しむ人がある時は考慮してほしいと思います。

日本でも1732年に享保の凶作というのがありました。西日本を襲ったイナゴの被害で多くの人が餓死しました。しかし、享保の飢饉は西日本のみで、 その年東日本はむしろ豊作でした。それなのに何故たくさんの餓死者を出したかというと、東国がコメの高騰を恐れて(狙って)、「津留」または「米留」と 言って、米の移出を禁止したのが原因でした。

現在も世界の穀物生産量は、世界中の人が十分食べられるほど生産されています。飢餓の問題は分配が平等に行われていないことだと言われています。 つまり、「自分さえよければ良いという」自己中心の考え方が飢餓を助長しているのです。

私たちも食料高騰の被害者であると同時に、私たちの贅沢によって開発途上国の飢餓が進んでいることにも目を向けたいと思います。

ばらまいても、なお富む人があり、正当な支払いを惜しんでも、かえって乏しくなる者がある。おおらかな人は肥え、人を 潤す者は自分も潤される。穀物を売り惜しむ者は民に呪われる。しかしそれを売る者の頭には祝福がある。箴言11:24〜26

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