090208
希望の車イス
「希望の車イス」というNPO法人の活動をビデオで見ました。会長はアメリカから来られた宣教師のご婦人で、世界の、車イスを必要としている人々に車イスを送る活動をされていました。
実は、彼女の息子さんが歩けない、しゃべれない、動けないという難病にかかり、そのことによって、彼女の家庭では、家族揃って外に出掛けるということが一切できなくなりました。しかし、国から車イスを援助していただいてからは、家族一緒に外出することができるようになり、家族に喜びが戻ってきて、その恵みに感謝しました。
そのようなときに、彼女は開発途上国には、2000万人もの車イスを必要としておられる方がおられるということを聞きました。そこで、この喜びを一人でも多くの方に与えたいと、海外で車イスがなくて希望をなくしている方々に、車いすに希望を乗せて贈呈する「希望の車イス」の働きを始められたということでした。
「希望の車イス」の団体の方々は、車イスが古くなったり、子供が成長して使わなくなったりした物、また車イスのリース会社で古くなった物など、使わなくなった物があるという情報に従い、分けていただきに行きます。
それは個人の1個、2個という場合もありますが、リース会社等からの数十台という場合もあり、自家用車で取りに伺ったり、時には4トントラックをチャーターして引き取りに伺ったりするそうです。
もちろん引き取ってきた車イスは、使い古した物ばかりですから、そこからボランティアの方々の奉仕が始まります。錆がいっぱい付いている物を数時間かけて新品同様のピカピカの車イスに仕上げます。
ボランティアには、教会の方々や、近所の方々が加わってくださって、車いすを磨いたり、修理したりしてくださいます。その中で、お父さんと一緒に参加した小学生の男の子は、錆を落として磨きあげるという大変、力と根気のいる奉仕の後で、「学校のお掃除の数十倍楽しかった。」と言っていたそうです。
私たちは誰かの役に立つ働き、すなわちそのことによって誰かが生かされ、誰かに希望が与えられるという奉仕には、生き甲斐や喜びを感じるものです。
そのように新品同様に生き返らされた車いすは、主にフィリッピンやタイ、インドネシア、中国、モンゴルなどに数十台から数百台の単位で送られて行くそうです。東南アジアが中心なのは、欧米から寄贈される車いすは彼らの体型には少し大きすぎて合い難いので、日本からのものが重宝されるということでした。
届けられた車いすは現地の法人の方々が、必要としている方にそれぞれ渡して下さり、受け取られた方々の喜びの言葉や写真が送られてきます。
家に中に何年も閉じこもり、動くこともできなかった方々が、車いすに乗って外に出られた時の感動とは私たちの想像を絶するものだったようです。送られた写真に写っている、車いすに乗って外出を楽しんでいる彼らの満面の笑みからそれが窺い知れます。
豊かな日本に住んでいる私たちには人の役に立つために、できることがまだたくさんありそうだと思いました。そして、私たちの内側には人に役立ちたいという優しい心が脈々と波打っているのをこの働きを通して教えられました。一人では小さな取るに足りない力ですが、みんなで協力して力を出し合えば計り知れない大きなうねりとなって、人々に希望を与えることができることをも今回のビデオを通して教えられました。私たちにできることがまだ何かあるのではないでしょうか。
子供たちよ。わたしたちは、言葉や口先で愛することをせず、行いと真実を持って愛そうではありませんか。Tヨハネ3:18