090329
結婚式を迎える方々にT
今回は息子の結婚式の時にさせていただいたメッセージと式の意義を要約させていただくことによって、これから式を迎えようとされている方々の参考になればと思い書かせていただきます。
これから式を迎えようとされている方々、本当におめでとうございます。皆さまには幸せな結婚をし、幸せな家庭を築き、幸せな人生を送っていただきたいと思います。
ところで、「幸せとは何でしょうか?」。私は結婚式を前にしたカップルに、必ず、「幸せになりたいですか。」とお伺します。今から結婚する、幸せの絶頂にあるカップルに対して、いかにも間の抜けた質問に感じられます。もちろん、「いいえ、それだけはよして下さい。」とは一人も答えられません。怪訝な顔をしながらも「皆、はい。幸せになりたいです。」と答えられます。至極、当たり前の反応です。
しかし、私は以前から、ここに大きな問題があることを感じていました。それはみな、「幸せになりたい。」との願望にとどまっているということです。願望は大切です。しかし、それだけでは動きません。それでは、10年先、20年先も同じように答えている自分を発見するのみです。
願望が動くためには、ビジョン、すなわち明確な目標、それに向けた努力が必要です。たとえば、中学校の生徒が、「勉強ができるようになりたい。」という願望を持ちます。しかし、それを実現するためには、具体的な努力を始めないといけません。そのためには、はっきりした目標、すなわちビジョンが必要なのです。
例えば、医者になりたい、弁護士になりたい、学校の先生になりたい等の具体的な目標を持ちます。そして、それに向けて具体的な努力、すなわち勉強を始めるのです。そうして初めて、願望が具体的に動き始めるのです。
そのように、「幸せになりたい」という方に対して、あなたの持ってる幸せ感ってどういうものですか。あなたは具体的にどうなりたいのですか。どのようになったら満足できますか。また、そのためにどのような努力をしようとしていますか、あるいは、始めているのですかが、問われるのです。それがはっきりしないと、いつまでも願望は、願望のままなのです。
それでは「幸せとは、何ですか。どういう風になることが、幸せなのでしょうか?」。私は一般的に、「幸せになりたい。」と言ってる人の背後にある漠然とした思いの中には次のようなものがあると思います。それは、「もっとリッチに、もっと楽しく」ではないでしょうか。例えば、素敵な家に住んでいて、そこの若夫婦でよく海外旅行などする姿を見たら、きっと幸せに見えることでしょう。そこにリッチで楽しくが見えるからです。
数年前の東京の女子高校生へのアンケート「理想的な結婚相手は?」に対する答えで、最も多かったのが、「お金持ち」でした。しかし、本当に金持ちが幸せなのでしょうか。
栄華を極めたと言われるイスラエル王のソロモンは、「彼の時代は銀は値打ちがなかった。」と言われるほどの財力を持っていました。彼は幸せを追及するために、あえて贅沢の限りを尽くしました。しかし、贅沢によって幸せを追求した彼の結論は以下のようなものでした。
「金銭を愛する者は金銭に満足しない。富を愛する者は収益に満足しない。これもまた、むなしい。」伝道5:10
また、彼は快楽によって幸せを得ようと試みました。「私は、私の目の欲するものは何でも拒まず、心の赴くままに、あらゆる楽しみをした。」と言っています。しかし、その結果も、以下の通りでした。
私は心の中で言った。「さあ、快楽を味わってみるがよい。楽しんでみるがよい。」しかし、これもまた、なんとむなしいことか。伝道2:1
彼は彼の財力を使って、あらゆる贅沢をし、また彼の権力を用いてあらゆる快楽を行いました。しかし、それらのものは彼を幸せにはしなかったのです。
つまり、リッチと快楽の延長線上では、真の幸せは得られなかったということです。そこで、次回は真の幸せの道について考えたいと思います。