090405
結婚式を迎える方々にU
結婚式を迎える方々に、結婚への備えと式の内容について先週からお話ししております。先週は「幸せとは何ですか。」について考えました。今週も続けて考えてみたいと思います。
世界の国の子供たちに、「君は幸せか?」との質問をしたアンケート結果があります。開発途上国と言われる国の多くの子供達が「幸せです。」と答えたのに対して、日本をはじめ、先進国の子供達は「幸せでない。」と答えた子が多かったという結果が出ました。これから、幸せは経済的な豊かさのみでは計れないんだということが分かります。
それでは、私たちを幸せにする最大の要因とは何でしょうか??それは関係なのです。開発途上国の子供たちに幸せを実感させているのは、温かい家庭、愛してくれる家族の存在等の良い人間関係なのです。かつての日本がそうであったように、テレビもファミコンもなく、子供部屋があるわけでもなく、いつも家族が一つ所に集まって団欒している環境が幸せな関係を作るのです。私達が小さい頃の日本で、「君は幸せか」と問われたら、きっとたくさんの子が「幸せです」と答えたと思います。
そこで、結婚式の目的は、幸せな家庭づくり、すなわち「幸せな関係づくり」なのです。したがって、結婚式の中では、恋人同士の関係を夫婦の関係に造りかえる、関係の変換という作業を行います。恋人同士の関係は、感情的なつながりです。感情が動いていますから声を聞くだけでも、一緒にいるだけでも嬉しいという素敵な関係です。しかし、そこに決定的な欠陥があります。それは、感情の中に責任がないのです。「いいから愛する」「良くないと愛さない」との無責任な関係なのです。しかし、それでは幸せな家庭は築けません。そこで、式の中でお二人に、「あなた方は相手がどうあろうと、生涯愛し続けることを約束できますか?」と質問します。つまり、感情にではなく、意思に聞くのです。良いとか悪いとかではなく、最も大切な相手として責任を持って愛するかどうかが問われるのです。そこで、お二人が「はい約束します。」と誓約を致します。
しかし、ここまではまだ私の質問に答えてくれただけです。次に、今約束したことを相手に対して、責任を持って約束して下さいと続きます。それが第2の誓約「私はあなたを、妻(夫)として、生涯あなたを愛し、尊び、誠実をつくします。」つまり、私はあなたを最も愛すべき相手として、生涯愛し続けます。あなたを大切にします。あなたを不幸にしないように、誠実をつくしますとの誓約をみんなの証人の前でお互いに約束し合っていただくのです。
さらに、この誓約にはもう一つ目的があります。それは、今日まで幸せを願い、育て続けてくれたご両親やご家族がお互いにおられます。親が子供を育てるとき、どこの親も子供の幸せを願いながら育てます。しかし、親が子供の幸せに対して力を持てるのは、結婚するまでなのです。結婚後はあなたの息子、娘の相手が、幸せを決める一番大きな影響力を持つのです。
ですから、第2の誓約は相手に対する誓約であると同時に、送り出して下さるご家族に対する「愛します。大切にします。誠実をつくします。」との誓約でもあるのです。しかし、誓約はそれで終わりではありません。この段階ではまだ口約束だからです。
つぎに、それを見える形で保証するのが、指輪の交換です。「この指輪は私の愛と誠実のしるしです。」と告白していただきます。すなわち、「私はあなたを生涯愛し続けると約束しました。あなたを不幸にしないように誠実を尽くしますと約束しました。それの見えるしるしとしてこの指輪を贈ります。」というのが指輪の交換の意味なのです。つまり、今までの誓約を間違いありませんとここで保証するのです。
もちろん、式の時は誓約を見せていただけます。覚える必要はありません。大切なことは、相手に対して、また送り出して下さる家族に対して責任を持って告白していただくことだからです。
それによって責任ある関係が成立するのです。
これがちゃんと出来れば、成田離婚なんて責任のないことは考えられません。結婚は自分たちだけでなく、周りの多くの人々に影響を与える重大な出来事ですので責任ある行動が必要です。
次回は私たちの幸せに関するさらに重要な関係についてお話したいと思います。
それはそうとして、あなた方も、おのおの自分の妻を自分と同様に愛しなさい。妻もまた自分の夫を敬いなさい。エペソ5:33