090517
子供のように純粋な心
入学式を終えて1か月が経ちました。今まで6年生だった子供たちは中学生になり、少し離れた中学校に通うようになります。それで沢山の子供たちがここを通らなくなるので、毎年今は少し寂しさを感じる時期なのです。
しかし、一年生の小さな子供たちが少しずつ慣れて来て、「おはようございます。」と挨拶しながら、お兄ちゃんお姉ちゃんにならってハイタッチして通るようになってきました。
先日の月曜日、横断旗を持って待っているのになかなか子供たちが通りません。大体、月曜日と言えば、日曜の疲れが出て登校が全体的に遅いのですが、今日は特に遅いような気がします。いつまで待っても誰もなかなか来ないと今日は休みだったかしらと不安になります。
そういうことも無きにしも非ずで、数か月前、朝から張り切って立っていると、知り合いの奥さんが車で通りかかり、「今日は祝日だから学校はお休みじゃないかしら。」とやんわりと教えてくれました。こういうことがあるので、すぐ不安になるのです。
さて、月曜日の朝首を長くして待ってると、Tちゃんが歩いてきました。「おはよう。Tちゃん。」「おはようございます。」とハイタッチしながら挨拶をしました。「ところで、今日はみんな遅いね。」と言うと「うん。今日は月曜日だからみんな疲れてるんだよ。」とのこと。
「みんな月曜日はあんまり好きじゃないんだね。」と言いならが、昔のことを思い出しました。私が小学生の時、U君という頭のよい子から、「ねえねえ。1週間で一番嬉しい時はいつ」と聞かれたことがあります。私が「そうだね。日曜日の朝かな。今日は休みだ、と嬉しくなってくるからね。」と言うと、彼が「僕は違うな。」と言うのです。「やっぱり頭の良い人は思うことが違うんだな。」と思って聞いてると、「僕は土曜日、『みなさん、さようなら』と頭を下げる瞬間だな。」(昔は土曜日も午前中は授業があった)というのです。やっぱり一緒だなと思って安心しました。
さて、Tちゃんに「月曜日は嫌いかい」と聞いてみました。すると、「うんあんまり好きじゃないな。日曜日の次が木曜日ぐらいだったらいいのに。」「え〜、それだったら土、日、休んで、あと木、金、出たらまた休みだね。」と言って笑いました。
私と良くお話ししてくれたTちゃんのお姉ちゃんも今年遠くの附属中学校に合格して、電車で通うようになりました。そこで、「Tちゃんもお姉ちゃんと同じ中学校に行くの?」と聞いてみました。すると、「おじちゃん九州大学って良いところ」と聞いてきました。私が「うん。難しい大学だよ。」と言うと「僕はそこに行こうかと思うんだ。」すごい、小学4年生でしっかり目標を持って生きているんだと思いながら、「その大学を出て、何になりたいの?」と聞いてみました。すると、嬉しそうに「野球の選手」との答が返ってきました。これが本心で、大学は誰かの影響だなと思いました。
ところで、「Tちゃん。今日の予報は雨だよ。傘持ってきた?」と聞くと、「ううん。持ってきてない」。「今日は降水確率80%って言ってたよ。おじさんちのを貸してあげようか?」と言うと、「いや。いい。」「いいって言っても80%だよ。どうすんの。」と言うと「あとの20%にかける。」と言う返事が返ってきました。随分の冒険だなと思って次の日「Tちゃん。昨日どうだった。」と聞くと「びっしょり濡れた」とのことでした。子供たちとの会話によって私の方が毎日力をいただいています。子供たちの話には、処世術や計算はありません。素直に、自分の思いを語ってくれます。私たち大人も理屈ばっかり言わないで、彼らの純粋さを見習いたいと思います。
私が子供であった時は、子供として話し、子供として考え、子供として論じましたが、大人になった時には、子供のことをやめました。Tコリント13:11
しかしイエスは、幼子たちを呼び寄せて、こう言われた。「子供たちを私の所に来させなさい。止めてはいけません。神の国は、このような者たちのものです。まことに、あなた方に告げます。子供のように神の国を受け入れる者でなければ、決してそこに、入ることはできません。」ルカ18:16〜17