メインページ メッセージ集>アドナイ・エレ090719

090719

夢と希望が明るい未来を作る

先日、浜松の観光地の温泉ホテルで日本国際飢餓対策機構の評議員会が行われました。20数名の評議員が日本各地から集って来られて、世界の飢餓対策についての真剣な話し合いがなされました。集われた方々はみなネクタイにスーツ姿で、夕食の時もほかのお客さん方は浴衣やリラックスした服装でお食事を楽しんでおられたのに、私たちの1団だけ夜の集会に備え、お硬い服装のままで、そこだけ場違いな雰囲気を醸していました。私が途中で着替えようと思って、持ってきたポロシャツは、とうとう最後までバッグに仕舞いっぱしで帰宅することになってしまいました。

さて、今回の大きなテーマは今までの緊急援助や自立開発援助のみに拘わらず、精神的な援助をいかに成すべきかが語られました。長年飢餓に苦しんでおられる人たちは、夢や希望を失い、やる気までをも失って、厳しい環境に流されてしまいがちになります。その人たちにただ食料援助するだけでは、真の解決にはなりません。そこで身体の飢餓と心の飢餓の両方に答えるための対策が語られました。

夢や希望がなく、将来の明るい展望が開けない中での努力は大変です。人は夢があり希望があってはじめて厳しい環境を克服する忍耐力が生まれます。しかし、いくら頑張ってもその努力が報われないような社会環境では、「やる気を持て」とただ言うばかりでは根本的な解決にはなりません、だからと言って放っておくこともできません。そこで今後、飢餓対策機構はそのような心のケアにもかかわっていくようになるのかなと思いました。

ところで、このような厳しい環境によって、夢や希望を持って前向きに努力できない問題は、豊かさを満喫しているように思われる、今の日本の若者たちの問題でもあるのです。日本の未来を担う若者たちへのアンケートによると、・希望がない(不況)・期待されていない・愛されていない・聞いてくれない・何をしたらいいのか分からない・失敗するのが怖い・負け組への恐怖感等があり、将来に不安を持ち、委縮して大きな夢を持てないでいる方が多いことが分かります。

これを見ると、今の若者はかわいそうだなと思います。しかし、夢のないところ、将来の展望が開けないところでは、真の幸せはなかなか感じられません。つまり、将来に対する不安は私たちの喜びを奪ってしまうのです。

私たちが若い時は決して豊かではありませんでしたが、将来に対する大きな夢を持って、それぞれが努力できる環境にありました。私は高校2年生までは寮に入っていましたが、よく遊びよく学び、皆で将来の夢を語り合ったりして楽しい日々を過ごしました。あの当時はできる、できないは、ともかくとして大きな夢を持つことが可能でした。そして、夢は私たちに喜びや力を与えました。

またその当時、次のような歌が流行っていました。「夕陽の空に、望みをかけて、心ひそかに、夢を見る、会いたくて、会いたくて、この世に一人、いるはずの、まだ見ぬ君を、恋うるかな」。親友らと共に、この歌を歌いながら、やがて結婚するであろうひとりの人を恋い慕っていました。今も、時々現実となったまだ見ぬ君、妻を見ながら、当時を懐かし思い浮かべます。あの当時は、将来に希望があり、結婚に夢がある素晴らしい時代だったと思います。

また、感謝なことに私が過ごした若者時代は、ちょうど高度成長の真っただ中。会社に入ってもいつも夢がありました。私たちの会社に限らず、どこの会社も「躍進。○○社」と書いて、前向きなビジョンを持って夢に向かって邁進していました。

また、勤務時間中でも、野球の試合があるとユニホームに着替えて、皆に送りだされて球場に向かいました。ノンプロでも何でもない普通の中小企業の野球部の出来事です。そして、これはまた、どこの会社にでも、普通にあったことでした。

しかし、残念ながらバブルがはじけたとたんに、状況は一変してしまいました。前向きな話は聞かなくなり、どこに行っても悲観的な話ばかりになってしまい、精神的にも落ち込んでしまいました。夢や希望はなくなり、ただ落ちこぼれにならないように、必死に会社にしがみつくような人生に代わってしまいました。そして、自分に対する自信や価値観までをも喪失してしまったのです。

そのような悲観的な環境から少しずつ復活してこられたのは、皆の考えが前向きに明るい方向に向き始めてからだったと思います。人々に夢が生まれ、将来への希望が湧いてきました。夢があってはじめて前向きな努力ができるようになってきたのだと思います。

しかし、ようやく立ち直って来て、経済情勢も好転し始め、明るい兆しが見えて着始めたと思ったら、このところの世界同時不況で、また元の厳しい情勢へと逆戻りしてしまった感があります。

「若者よ。大志を抱け。」この様な環境だからこそ、環境に負けずに前向きに夢を持って歩み始めることが大切なのです。あなた方は必要とされていないのではなく、日本の未来を作る大切で重要な存在なのです。

厳しい環境や悪い世界情勢を嘆くのではなく、若者らしく夢と希望を持って明るい未来に向かって前進してほしいと思います。「幻のない民は滅びる」(箴言29:18)からです。

また、天地を創造し、私たちを生かしておられる天の神様も、一人ひとりを大切な存在として語っておられます。

今日はあっても、明日は炉に投げ込まれる野の草さえも、神はこれほどに装ってくださるのだから、まして、あなた方に良くして下さらないわけがありましょうか。マタイ6:30

Previous(090712号)目次Next(090726号)

◇アドナイ・エレ トップへ

◇ホームへ戻る

集会案内 今週のひとこと 牧師紹介 地図 リンク集 ポリシー