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090816

過保護の代償

町内一斉の夏の大掃除がありました。それぞれが自分の家の周りや公道を掃除します。私は教会の横を通る県道に沿って細く伸びる歩道の草取りをしました。歩道のコンクリートに積もった土に生えた草や、コンクリートの隙間にしっかりと根を張った草など沢山あり、朝7時から8時と比較的涼しい時間帯だったにもかかわらず、汗びっしょりになりました。

しかし、草とは別にたばこの吸い殻、たばこの空き箱、空き缶やペットボトル、パンの袋等が道路だけでなく、道の隅や垣根などに捨てられており、子供たちが拾って回っていました。捨てられている内容を見るとほとんどが大人の人が捨てたとみられるものなのに、それを子供たちが拾って綺麗にして行くというのは、我々大人にとって恥ずかしい話です。

良く、教会の庭にも空き缶やパン袋、ジュースのパックなどが捨てられています。また、コンビニの袋の中に飲み干したペットボトルとパンのビニール袋が入ったまま捨てられていることもありました。コンビニで買って食べながら、飲みながら歩いてなくなった時点で、そこら辺にポイと捨てて行くのでしょう。

ひどいのは教会前に自転車が乗り捨てられていたことがありました。一応、遺失物として交番に届けると、しばらくして持ち主が取りに来られました。通学するのに毎日使っていて、隣の駅に置いてあったものがなくなって困っていたとのこと、誰かが、歩くのが面倒だと勝手にその駅にあった自転車に乗って、ここに乗り捨てて行ったのでしょう。

私たちが小さい頃は、日本は世界一安全な国だと言われていました。田舎に住んでいましたが、別にカギなんか掛けなくて外出しても平気でした。こういうことは昔もなかったわけではありませんでしたが、年々このような不道徳が増えて来ているように感じます。これは幼少期の躾と深いかかわりがあるものと思っています。

近年子供を叱らない親や叱れない親が増えて来ていると言われます。叱ると子供がかわいそうだとか、子供に嫌われたくないとか、昔では考えられなかったような理由によるのだそうです。

先日8人の子供さんを育てておられるお父さんの車に同乗させていただきました。そのときは後部座席の方に5人の子供たちが乗っていました。5人もいたら賑やかです。そのうち、「場所を変わりたい。」とか「誰だれが、どうした。」とか、いろいろ不満やぶつかりが生じます。その都度お父さんが運転しながら調整します。

しかし、言うことを聞かないとお父さんのげん骨をもらうことになります。信号を待つ間にその子たちの頭を出させて、お父さんは後ろを向いてげん骨をくれます。その時は小学下学年の男の子と女の子二人がげん骨の対象となったのですが、かなり鈍い音がするほど強く叩いていました。

私が「かなり強く叩くのですね。」と言うと、「痛くないと効かないんですよ。」とのこと。なるほど、二人はしばらくはシュンとして静かにしていました。さすがに子供が8人もいると躾も上手です。適当なところでごまかさないで、1回1回本気で叱ることをしているんだなと思いました。しかし、それでも子供たちはお父さんが大好きでいつもまとわりついてくるほどです。私が「お父さん好きかい?」と聞くと、みんな「うん、大好き」と答えます。

また、私の知人にお母さんお一人で子育てをされている方がおられます。彼女は「ちゃんと叱って育てないと中学生や高校生になって体が大きくなって反抗始めたら女一人では止められないからね。しかし、その分いつも愛してるよと必ず言うようにしてるんです。」と言っていました。彼女も本気で怒り、本気で愛するということを実践されておられるなと思います。

子供のしつけは小学生ぐらいまでに徹底的に教えていないと、中学・高校となるとそれを教えるのに教える側も教わる側も何倍もエネルギーが必要になります。そして、結果的にお互いが傷ついてしまうのです。

過保護の結果は我儘で自己中心的な性格を作るか、依頼心の強い、いつも他の人にしてもらうことを願うような性格になると言われます。

我儘で自己中心な人や依頼心の強い人は人間関係をうまく作れません。最終的に人を幸せにするのは人間関係です。中学・高校の団体の中に入っても、社会人になっても、結婚しても、家庭を持っても自己中心で従順さがないと良い関係が作りにくいのです。好き勝手に行動して自由に見えても結局はそれが人間関係を壊し、自分を不自由にしていくのです。ですから、躾は子供が小さい内に徹底するように創造主なる神様は厳しく教えています。

愚かさは子供の心につながれている。懲らしめの杖がこれを断ち切る。箴言22:15
鞭を控える者はその子を憎む者である。子を愛する者は努めてこれを懲らしめる。箴言13:24
むちと叱責とは知恵を与える。我儘にさせた子は、母に恥を見させる。箴言29:15
あなたの子を懲らせ、そうすれば、彼はあなたを安らかにし、あなたの心に喜びを与える。箴言29:17
知恵ある子は父を喜ばせ、愚かな子は母の悲しみである。箴言9:1
一切れの乾いたパンがあって、平和であるのは、ごちそうと争いに満ちた家に勝る。箴言17:1

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