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鮮やかな復活劇に倣う

暖かい地方で生まれ育った私はスケートやスキー等の経験はほとんどありません。ただ、学生時代に数回スケートリンクに行って滑ってみたことがありましたが、 氷の上で歩くことはおろか、立つことさえ上手くできませんでした。それどころか、あまりの足首の痛さに音をあげて滑るのをすぐやめてしまいました。

そのような私にとって、氷の上を後ろ向きに滑ったり、くるくる回ったり、回転しながらジャンプしたりするフィギュアスケートの演技を見るのは驚きの連続でした。 どうしてあんなことが出来るのだろう。足は痛くないのかしら、目は回らないのかしらと、いつも好奇と感心の目で見ていました。

しかし、彼らのあのような華麗な姿の背後には涙ぐましい努力と自分との厳しい闘いが、常にあったことを知らされました。

昨年12月に全日本選手権が行われ、男女のフィギュアスケートとも今年のバンクーバー冬季オリンピックへの出場選手が決定しました。男子は高橋大輔選手、 織田信成選手に、小塚崇彦選手、女子は浅田真央選手、安藤美姫選手に鈴木明子選手です。6人いずれ劣らぬ、素晴らしい能力を持った選手揃いでオリンピックで華麗な 演技を見るのが非常に楽しみになりました。

その中で、今回は特に二人の選手に注目しました。その1人は男子の高橋大輔選手です。彼は2005年から全日本選手権3連覇して、日本のエースの座を不動の ものにしているかに見えたのですが、一昨年10月、練習中に右ひざ前十字靱帯(じんたい)を断裂し、長期離脱を余儀なくされました。

彼は自分の復活した姿を想像することが出来ないほど落胆し、競技を続ける意欲をなくして昨年2月にはしばらく音信不通になりコーチらを心配させましたが、 数週間後思い直して、再び、つらいリハビリと向き合い克服し、さらに激しい練習を続けて、ついに大会のリンクに戻ってきました。

そして彼は、この大けがによる辛い挫折を乗り越え、昨年12月の全日本選手権でついに2大会ぶり優勝を飾り、オリンピックへの椅子を勝ち取りました。

また、女子の代表の鈴木明子選手もジュニア時代から中野友香里選手や安藤美姫選手らとともに特別強化選手に指定され将来を嘱望された選手の一人でしたが、大学へ 進んで1年生のとき、突然食事がのどを通らなくなり、摂食障害と診断されました。彼女の体重はみるみる落ちて15キロ減の30キロ台までなり、エントリーしていた シニアの国際大会も辞退せざるをえなくなりました。そして、1年間はリンクと無縁の生活を送りましたが、治療を懸命に続けた結果、彼女も今回見事に復活し、先の 全日本選手権でオリンピックへの出場を勝ち取りました。

人生すべてが自分の計画通り、思い通りに行くとは限りません。思わぬ災難に遭遇し、今まで積み上げたものがすべて失われたかに見える瞬間を経験することは 誰にでも起こりうることでしょう。

そのような場に遭遇すると、私たちは自分の人生すべてを失ったかのような錯覚に陥り、最後は自分自身まで否定しがちになってしまいます。しかし、私たちが あきらめない限り、必ず新しい道が開けることを知る必要があります。どのような悲惨な状況に出会おうとも必ず脱出の道は備えられているのです。

一番怖いことは、失望落胆してあきらめてしまい、前向きな努力を怠ることです。二人のスケート選手は絶望の淵に突き落とされても、あきらめないで前向きに努力を 重ねた結果一回り大きくなって、表舞台に帰ってき、栄冠を勝ち取ることが出来たのです。

新しい年を迎え、私たちもこの二人の選手にならって、どんなことがあっても諦めることなく、希望を持ち続けて、勝利する1年にしたいと思います。

あなたがたのあった試練はみな人の知らないようなものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできない ような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。 Tコリント10:13

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