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悩まされる降灰

先日の南日本新聞に「静かな桜島・油断は禁物」という題の記事がありました。内容は最高の爆発回数を記録した昨年をすでにはるかに超える爆発を繰り返していた 桜島が、先月8日に781回目を記録して以来、不気味な沈黙を続けているとのことでした。しかし、マグマがせりあがって来ているようで、このまま収まることはない という専門家の解説でした。

桜島の降灰の洗礼を受けておられない方は分からないでしょうが、パラパラと汚れた黒い砂が雨のように降り注いでくる感じで、眼は開けられず、頭の中は灰で ザクザク、洋服は黒くなり、街路樹も道路も灰色に代わります。

幸い私が住んでいる喜入町はほとんど降灰に悩まされることはありませんが、鹿児島市街地に用事で行くときは、灰神楽の中に突入していく感じで、用事が終わって 車に帰ると、ボンネットや屋根の上に雪のように降り積もった黒い灰を車体に傷をつけないように振り落とす作業が待っています。振り落とす度に、灰がもうもうと 舞いあがるので、顔や体にかかって辟易します。

私たちも喜入町に引っ越す前は市街地に住んでおり、しょっちゅう降灰の洗礼を受けていました。鹿児島では天気予報と同時に1500メートル上空の風向きというのが あります。それは桜島が噴火するとどの方面に灰が飛ぶかを示すもので、降灰地の一応の予測はできますが、いつ噴火するかは予測できないので油断はできません。

降灰に関して、一つの苦い思い出があります。それは私たちがまだ鹿児島市街地に住んでいた時のこと、長男がまだ中学生で、私たちは2階建てのアパートに住んで いました。1階と2階が同じ造りの2軒アパートで、両方を借りて1階を教会部分、2階を住まいとして開拓伝道をしていました。

そのころ私と長男は教会の集会がない日は、1階部分を勉強部屋として使わしていただいていました。ある夏の日、長男が1階の窓を開けて勉強していて、途中で 気分転換に外に散歩に出た時のことです、その間に桜島が噴きあげて、降灰が窓から室内に吹き込み、私が帰宅した時は、床から机、そのほかすべての物の上に灰が 降り積もり、辺り中が黒い灰でざらざらになっていました。

私は彼の帰りを待って、「君の不注意がこのようなことになったんだ。家を出る時ちゃんと窓を閉めて行かなかったせいだから、きれいに掃除しなさい。」と注意 しました。彼は自分の不注意を詫び、一人で灰にまみれた部屋を隅々まできれいに掃除しました。

それから数日経った日のことです。私が1階で窓を開けて仕事をし、そのまま用事で外に出ました。すると、その間に桜島が噴火し、降灰が窓から入って数日前の 長男の時のように部屋中が灰でざらざらになっていました。

帰ってその光景を見た私は、「ああ、桜島を何とかして欲しいもんだ。毎回こうでうんざりする。」とぶつぶつ言いながら灰を掃除しました。そして、ふと 考えました。「長男が窓を開け放して外出し、灰が吹き込んだ時は長男が悪くて、私が窓を開けて外出し、同じように部屋が灰まみれになった時は桜島が悪い」。 よく考えると、「なんて身勝手な考え方なんだろう」と反省しました。

神様は同じような状況を起きるのをよしとされて、私に悔い改めとへりくだりを教えてくださったのだと思いました。

あなたは、兄弟の目にあるちりが見えながら、どうして自分の目にある梁には気がつかないのですか。自分の目にある梁が見えずに、 どうして兄弟に、『兄弟。あなたの目のちりを取らせてください。』と言えますか。偽善者たち。まず自分の目から梁を取りのけなさい。そうしてこそ、兄弟の目の ちりがはっきり見えて、取りのけることができるのです。ルカ6:41〜42

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