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飢餓の授業

今年も開発途上国の貧しい国の人々の痛みを、共に覚えようと国連が制定した「世界食料デー」がやってきました。ここ鹿児島でも10月29日に行われる「第13回 世界食料デー鹿児島大会」に備えての準備が着々と進んでいます。

先日は生見小学校での世界の飢餓の現状についてお話に行ってきました。毎年この時期に3年生から6年生までの子供たちを対象に行われるもので、子供たちもこの 学びにより世界の現状を知り、視野が広がると同時に自分たちの置かれている恵まれた環境を認識する良い機会になっていると思います。

集会のために、今回も早めに出かけ、体育館でDVDデッキとプロジェクターをセッティングし、子供たちが来るのを待ちました。

しばらく待っていると、子どもたちがぞろぞろと入ってきました。そして、授業始めのチャイムが鳴ると、教頭先生が立って私たちを紹介してくださいました。

それから、私が前に立ってお話を始めました。まず、みんなに「朝ご飯食べてきましたか」と聞くとみんなが一斉に「はい、はい」と答えました。「それでは昨日の 夕食は?」と聞くと、みんな「食べた」と答えます。

そこで、私たちはごく普通に3食のご飯が食べられますが、世界には1日1食しか食べられない人やほとんど食べられなくて、飢餓やそれに関する病気でなくなる 子どもたちがたくさんいることを知ってくださいと話しました。

また、みんなの様に勉強をしたくても、学校にいけない人も世界にはたくさんいること、エチオピアでは夜間学校というのがあって、皆さんと同じ年頃の子供たちで、 昼間働いて夜に学校に行って勉強しなければいけない人も沢山いることを話し、ご飯を食べられることや学校で勉強できることが当たり前ではないことを知って もらいたいことを伝えました。

その後DVD「エチオピアの人々と共に」を見ました。映像にはエチオピアの人々が茶色に濁った池の水でうがいしたり、それを飲んだりしている姿が映し出され ました。子供たちにはあんな水を飲んでるなんて、信じられない映像だったと思います。また、人口が増えすぎて乱伐で山に木々がなくなってはげ山になっている無残な 姿や、さらに表土流失で畑も流され、ただの赤茶けた大地だけが広がっている映像もありました。

しかし、そのようなところに日本人のスタッフが入り、「フード・フォー・ワーク」と言って食料をあげるかわりに、自立のために共に働くという作業を現地の人々と 始めました。まず、表土流出を防ぐために、山の上から石垣を段々に造り、次にそれに1200万本もの苗木を植え、水を池から運びあげて育てます。

そのような努力によって1年後、3年後、6年後と映像が変わるたびに、はげ山が緑の山に代わって行く様子が分かりました。さらに、緑におおわれた山のふもとに 泉が湧きだした例もあるという報告も聞きました。

それから、日本から行ったSさんが指導して試験農場を作り、様々な作物の栽培を教えて、周りに畑が広がっていく様子や、日本から持って行ったサツマイモ畑が 作られ、現地の人々が喜んで食べているという説明もありました。

また、簡易の井戸を掘り、それからきれいな水が流れ出てくるのを見た現地の人々が歓喜のあまり歌いだしている光景も映しだされました。私たちは現地の人々が きれいな水が飲めるようになったことに安堵しました。

さらにエチオピアでは農作業に欠かせない家畜の病気の治療のために40ほどの村々を走り回って、働いている獣医の日本人スタッフNさんの奮闘する姿も ありました。

DVDを見た後、「現地で試験農場を作って、彼らの自立のために一緒に働いていたSさん、それに獣医として家畜の治療に奔走していたNさんは共に鹿児島の大学を 出てエチオピアで働かれているのですよ。」と話しました。

またNさんが子供たちに送った「一生懸命勉強して、人の役に立つためにそれを用いてください。」とのメッセージも伝えました。

世の富を持ちながら、兄弟が困っているのを見ても、あわれみの心を閉ざすような者に、どうして神の愛がとどまっているでしょう。 子どもたちよ。私たちは、ことばや口先だけで愛することをせず、行ないと真実をもって愛そうではありませんか。Tヨハネ3:17〜18

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