メインページ メッセージ集>アドナイ・エレ101205

101205

本読みのボランティア

1昨年、学校ボランティアの募集があり、子供がお世話になっていたので何かのお役に立てればとその内容を見ましたが、校庭の木の剪定や草刈り機による除草整備 など、ある程度の専門性を要するもので、私でも出来そうなものはほとんどありませんでした。

しかし、その中に唯一、何とか私にも出来そうなのが本読みのボランティアでした。本読みは決してうまい方ではないのですが、できないことはないだろうと応募 しました。

昨年は5,6年生のクラスを中心に上級生に対して数回の本読みをさせていただきましたが、今年になって1年生、2年生、3年生と下学年の本読みも回ってくるように なりました。

学校ボランティアの担当の先生から「下学年に話すときはなるべく本の絵を見せるように話しして下さると分かりやすいですよ。」と教えていただいたので、なるべく みんなに絵も字も見せるようにお話しするようにしてきました。子供たちも私の前に集まって来て熱心に聞いてくれました。

さて、先日は4年生のクラスの本読みを担当することになりました。私が本読みのために教室に入ると、いつもそうですが「あ、教会のおじちゃんだ。」との反応が 出ます。私が毎朝、教会の前で安全登校指導をしているので、どのクラスにも朝、私と顔を合わせて登校する子が沢山いて、知ってるおじさんが来たと言うので多少 好感を持って迎えてくれているようです。

先日は教会のKさんから借りたトルストイ作の「火は早い内に消さないと」という本を持って行きました。まず、本を読む前にみんなに「トルストイって知って ますか?」と質問しました。すると、「知らな〜い。トイ・ストーリーなら知ってるけど。」との反応がかえってきました。

笑いながら本読みを始めようとしましたが、他の学年は1学年2クラスに分かれているのに、4年生だけは生徒数が少し足りなくて一クラスだけなのです。ですから、 子供たちが教室いっぱいに広がっていてどうしても端っこの子供には本の絵が見えそうにありません。

私が端っこの子に「見える。大丈夫。」と聞くと、子供たちから「テレビで話したら。」と言われました。私は、しばらくは意味が分からなくて「テレビ?テレビで話すって どういうこと?」と聞くと、先生がテレビのスイッチを入れて下さって、「ここに本を置いて下されば、皆に見えますよ。」と教えて下さいました。

私がそこに本を置くとテレビの大画面に本が映し出されました。「すごく便利なものがあるんだな〜。」と思いながら、本を台に置き、私は皆を背にしてテレビの方に 身体を向けて本を読み進めました。頁をめくるごとに私の巨大な手が映り異様な感じがしました。

本の内容は隣り合った仲の良い二つの家族に、卵1個のことから仲たがいが起こり、互いに憎み合うようになり、どんどんエスカレートして最後は村の半分を火事で 灰にしてしまう大げんかにまで発展してしまうというお話です。本の読み方は時々引っ掛かったり噛んだりとあまり良い出来ではありませんでしたが皆興味を持って真剣に 聞いてくれました。

そして、明くる日教会前の交差点で安全登校指導をしていると、あきとくんが「おじちゃん、昨日はありがとうございました。」と挨拶をしてきました。真面目にお礼を 言われたので少し面喰いつつ「昨日の話、分かった?」と聞いてみました。すると、「うん。よく分かったよ。『火は早い内に消さないと』という話だったでしょう。」と 答えてくれました。

子供たちがこの本を通して争うことの災いと許すことの重要性を考えてくれたかなと思います。私自身としては、本読みは決して得意な方ではないのですが、 いろいろな本を紹介できて、子供たちにいろいろ考えるきっかけを与えられていることに満足を覚えています。

あなたは、理由もないのに、あなたの隣人をそこなう証言をしてはならない。あなたのくちびるで惑わしてはならない。「彼が私に したように、私も彼にしよう。私は彼の行ないに応じて、仕返しをしよう。と言ってはならない。箴言24:28〜29

Previous(101128号)目次Next(101212号)

◇アドナイ・エレ トップへ

◇ホームへ戻る

集会案内 今週のひとこと 牧師紹介 地図 リンク集 ポリシー