110306
幸せな人生は言葉から
私がまだ営業マンとして、会社に勤めていた時の話です。会社から数名ずつ営業マンのセミナーに送りだされたことがありました。私たちは営業マンとして、スキル アップを図るためにすばらしいチャンスだと意気込んで、素晴らしい学びを期待して参加しました。
しかし、セミナーが始まって、まず最初にさせられたのは大声を出して叫ぶことでした。「私はできる〜。」「成せばなる、成さねばならぬ何事も、成さぬは人の なさぬなりけり〜」など、壁に貼ってある文言を大声で読まされるのです。
私たちは言われるまま大声で叫ぶのですが、指導者からは「もっと大きな声で!」と責められます。すると、皆さらに大きな声で「成せばなる〜、・・・」とあらん 限りの声を出して叫びます。そのうち喉が涸れてきて声が出なくなってきます。それでも「もっと、もっと」と怒鳴られるのです。期待してセミナーに臨んだだけに、 内心がっかりです。
1週間ほどの合宿セミナーが終わり、「大して良いセミナーではなかったな。会社はこれがどのようなセミナーか分かって勧めたのかしら」と思いつつ会社に 帰りました。
それから数カ月が経って、ある日、本を読んでいたら、そこに「告白の力」について書かれているところがありました。そこには、私たちの脳の中心に大脳皮質が あり、大脳皮質の中に言語中枢があって、言語中枢がすべての器官を支配しているというようなことが書かれてありました。
つまり、私たちは自分の語る言葉によってコントロールされていくと言うことなのです。例えば、「私は身体が弱いの」といつも言っている人は、本当に弱く なっていく。いつも「私は頭が悪い」という人は本当にできなくなっていくというのです。
それで、セミナーの真意が分かりました。幾ら能力があっても「できない」「無理だ」という人はできません。ですから、まず肯定的な告白をさせて、心を整えて から、商品知識や販売のノウハウを教えたのだと理解しました。
告白の力を知ったので、子供たちに否定的な言葉を使わないように、肯定的、積極的、建設的、生産的な告白をするように教えました。すると長男は「う〜ん、この 問題は〜難しく〜ない。」と肯定的な言葉を使うようになりました。
次男は中学2年3学期、社会の成績が芳しくありませんでした。そこで何時でも思い出したら、「僕は社会が大好きだ。」と告白するように勧めました。社会の嫌いな 彼が、口先だけで「社会が好きだ。」と告白するようになって、社会の成績が上昇始めたのです。
また、3男は小学校入学前、魚が嫌いで食べられませんでした。学校に入ったら魚が嫌いでも食べなければなりません。そこで、妻が夕飯に鮭寿司を作りました。彼は それを見てびっくりして、「僕はこんなの食べられな〜い」と叫びました。
彼にとっては、ご飯の間のいたる所から魚が顔を出しているみたいに見えたことでしょう。しかしそこで、彼に「僕は魚が大好きだ。」と何回も告白させました。 すると、あれほど嫌いだった魚をその日から食べるようになったのです。
私たちは自分の語る言葉に、もっともっと注意を払うべきだと思います。否定的な言葉を語る時、私たちの心だけでなく身体もダウンします。しかし、肯定的な 言葉を語る時、心を身体も前向きに、明るく健康になって行くのです。
注意しないと、私たちは否定的な言葉の方がずっと使いやすいのです。私たちの人生は良くも悪くも、語る言葉に左右されます。舌の使い方に注意を払うように しましょう。
私たちはみな、多くの点で失敗をするものです。もし、ことばで失敗をしない人がいたら、その人は、からだ全体もりっぱに制御 できる完全な人です。馬を御するために、くつわをその口にかけると、馬のからだ全体を引き回すことができます。また、船を見なさい。あのように大きな物が、強い風に 押されているときでも、ごく小さなかじによって、かじを取る人の思いどおりの所へ持って行かれるのです。同様に、舌も小さな器官ですが、大きなことを言って 誇るのです。ヤコブ3:2〜5