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共に幸せを生むボランティア

喜入中学校で国際ボランティアについてのお話しをさせて頂くようになって10年近くがたちます。そして、今年も6月8日お話しに行かせて頂くことになりました。

当日、校長室でしばらくお話をしてから先生に案内されて体育館に向いました。すでに生徒さん方は座って待っていてくれました。担当の先生にご紹介を頂き、世界の 食糧事情と飢餓の現状、それに対する緊急支援と自立支援について5時間目,6時間目の2時間にわたってお話しさせて頂きました。

聞いた子供たちが世界の飢餓と私達とのかかわりについて理解し、学んだことを周りの人々にも伝え、また自分の今までの生活を見直し、自分のできる支援に向かって くれたら幸いだと思っています。

また、現地に赴き、その地の人々と同じように生活しながら灌漑用水路の建設、共同農園作り、きれいな水を飲めるように井戸を掘り、その他にも植林や学校づくり など、世界各地で沢山の方々がボランティアとして、貧困と戦っておられる方々と労苦を共にしておられます。

そこで、そのような方々のことを思いつつボランティア精神についてもお話しさせて頂きました。日本においても近年、ボランティアと言う言葉が定着して来て、 確実にボランティアが根づいて来ていることを嬉しく思います。

先日の東日本大震災においては沢山のボランティアが被災地に殺到して、順番待ちが続いた様子をよくテレビで見かけました。素晴らしいことだと思います。

この中で、今回次のようなお話を耳にしました。それは次のような内容だったと思います。

ある青年がご両親の亡き後、お姉さんの家に転がり込んで生活するようになりました。しかし、彼はお姉さん家族と折り合いが悪くなり、その家を飛び出し途中で車を 盗んで、被災地に行きボランティアになり済まして避難所にもぐり込みました。彼は特にボランティアに重荷があったわけではなく、住む所も食料もないので、手っ取り 早くそれらを得られる所として、不謹慎にも避難所を選んだのだと思います。

そんな働くことのあまり好きでない彼がボランティアになり済まし、ボランティアの手伝いをする内に、人のために働き、人の役に立てることの喜びを感じるように なり、そのうちボランティアのサブリーダーとして、てきぱきと仕事をこなしていくようになりました。

しかし、そのうち警察が来て、彼は窃盗の容疑で逮捕されて行きました。その時彼は「私はここに来て初めて、人のために働き、人の役立つことの喜びを知りました。 罪の償いをして、きっとここに帰って来て、また人のために働きたいと思います。」と言って連行されて行ったそうです。彼の行為は決して褒められたものでは ありませんが、しかし、真のボランティアは、このように働く人々に喜びを与えるものだと思います。

そういえば随分前のことですが、次のような話も聞きました。

一人の不動産屋の経営者が、70歳を前にして、「今まで一生懸命働いてきたので、ここらで仕事を離れて、今からは余生を楽しみたい。」とご夫婦で旅行を始められ ました。「日本国内500か所以上、海外旅行50回以上は行ったでしょう。」と言われるほど、自由で楽しい日々を満喫されておられたのですが、しばらくしてご夫妻とも 幸せを実感できなくなった、生き甲斐がないと言われて、再び幸せを得るために生き甲斐を探し始められました。

そして、お二人が「遂に生き甲斐を見出した。」と言って通い始めたのが老人施設での介護のボランティアだったのです。先の青年やこのご夫妻はボランティアの中に 真の幸せを見出したのです。ボランティアは助ける人も助けられる人も共に幸せにする素晴らしい働きだと教えられました。

兄弟たち。あなたがたは、自由を与えられるために召されたのです。ただ、その自由を肉の働く機会としないで、愛をもって互いに 仕えなさい。律法の全体は、「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。」という一語をもって全うされるのです。ガラテヤ5:13〜14
何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。これが律法であり預言者です。 マタイ7:12

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