110814
赦すことの大切さU
先週から赦すことの大切さについて書かせて戴いておりますが、今回もそれについてさらに続けて考えて行きたいと思います。
さてある方のたゆまぬ努力の結果、事業が順調に発展して行きました。そこで、大きな夢を抱いて、さらに事業を拡大しようと3億円の借金をして設備を整えました。 しかし、その矢先に先の震災に遭いすべてが流されて、多大な借金だけが残ってしまいました。
しかし、彼はそのような状況下で心が折れて、やる気を失ってしまうのこともなく、再び希望を持って前に進みだしているという事を聞いて、その挫けない姿勢に 教えられました。このような方々の前向きな努力によって、被災地も少しずつ復興の道をたどっているものと思います。
しかし、同じ被災地でも福島原発の近くの方々の復興は、放射線汚染によって、被災地区自体に人が近づけない状態が続き、復興が遅々として進んでいない状況に あります。
先日次のようなお話を聞きました。ある方が新築し、新しい家に住み始めて約1ヶ月後に震災に遭いました。しかし、彼の家は強い地震に耐え、幸い津波の被害からも 免れて無事でしたが、その際起きた福島原発の事故で、避難を余儀なくされてしまいました。
不自由な避難生活にあって憧れの家に帰れる日を心待ちにしつつ過ごしておりました。そして、ついに1時帰宅の許可が出て久しぶりに我が家に帰り、必要な物を 持ち出すことが出来ることになり、喜んで帰宅しました。
しかし、懐かしい我が家に入ると、そこには信じられない光景が広がっていました。新築に合わせて買いそろえたばかりの家具や電化製品などすべてが誰かに手に よって持ち去られていたのです。彼にとっては震災に遭う以上のショックだったことでしょう。
震災に遭い、不自由な生活を強いられている人の苦しみにさらに追い打ちをかけるこの様な心ない盗人に怒りを覚えます。彼の心中も穏やかならぬものがあること でしょう。その犯人に対しては誰であっても怒りを覚えることでしょう。彼が犯人を憎んだとしても当然です。
しかし、彼がその犯人に怒りを持ち、憎しみを覚えることは、彼の前向きな生きる力を失わせ、彼の心から喜びを奪ってしまい、ひいては彼自身が病気になってしまう 状況を生むことになるのです。心の憎しみが身体をさらに彼の人生を蝕むのです。
心に喜びがあれば顔色を良くする。心に憂いがあれば気はふさぐ。箴言15:13
次のような話があります。ある医師が貧血症の女性の治療を続けていました。しかし、数カ月たってもまったく効果がありませんでした。そこで医師は彼女に自分の 友人のいる郊外の療養所に行ってしばらく休むことを勧めました。
彼女は療養所に行き、1週間後帰って来て、そこの医師からの結果報告を渡しました。それには「血球の数は君の報告とだいぶ違ったが、入院させました。しかし、 彼女に特に異常は認められませんでした。」と書いてありました。
彼はびっくりして血球を取って検査をしてみたら、血球の数が急激に変化していたので、患者に何か変わったことがなかったかを尋ねました。すると、彼女は「私は 療養所に行く前に、長年恨んでいた人を急に赦せるようになりました。すると、突然心が晴れて、生きる意欲が湧いて来たのです。」と答えました。心の癒し、心の 解放が彼女の外的病をも癒したのです。
悪い人のせいで病気になったり、大切なあなたの人生を狂わせて欲しくありません。赦しましょう。しかし犯人よ、彼が赦しても神はあなたの悪い行為の償いを 必ずされられるのです。
思い違いをしてはいけません。神は侮られるような方ではありません。人は種を蒔けば、その刈り取りもすることになります。 ガラテヤ6:7