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規則って何?
先日新聞を読んでいて面白い記事を見つけました。イギリス南東部で92歳のおばあちゃんが酒屋さんにウイスキーを買いに行ったら、写真付きの身分証明書の提示を 求められたそうです。
最初は「お世辞」だと思ったが、店員が本気だと気付き、おばあちゃんは自分の持っていたバスの定期など見せましたが受け入れられず、ウイスキーを買う事が 出来なくて、憤慨して帰ったというものでした。
イギリスでも日本と同じように未成年がお酒を飲むことが禁じられていて、そのために身分証明書の提示が義務付けられていたのでしょう。しかし、だからと言って 杓子定規に、明らかに未成年でない人にそこまで要求する必要があったのかと疑問に思います。
規則であってもただの縛りになって、そこに愛が流れていないと生活が窮屈になってしまいます。日本では「融通を利かす」という言葉がありますが、このような時は それが必要であったのかもしれません。
ただ、酒屋の店員が全面的に間違っていたわけではありません。彼は忠実に規則に従って処理したまでなのです。ただ、規則・規則だけで融通が利かないと関係が ギスギスして住みにくい社会になってしまうでしょう。
また、92歳のおばあちゃんが幾ら若く見えたとしても未成年と区別できないことはあり得ないでしょう。規則は大切で守らなければならないものですが、規則は私達を 縛るものではなく、守るものですから、あまり杓子定規にならないように、もっと臨機応変に対応して頂けたらいいと思います。
ただ、この融通を利かすというのを拡大解釈して行くと、またとんでもない問題も起こってきそうです。 私は老け顔で10代後半はおじさんのように思われていました。
高校時代は近所の子供たちに「おじちゃん」と呼ばれていましたし、大学時代は大学の男子寮にいたのですが、女子寮の中では「お父ちゃん」と呼ばれていた ようです。
また、会社の入社式の時は女子社員の人々から新しいパートのオジサンだと思われていたということでした。このような人もいますので、見た目だけで判断し、ただ 「融通を利かす」だけでは問題が生じることでしょう。
しかし、規則はあくまで私たちを守るためにあるということを心に留める必要があります。先日、私は近くの銀行に通帳の再発行をして戴きに行きました。この銀行は 我が家の預金の出し入れだけでなく、教会の預金出し入れもあり、ほとんど毎週来ています。
それに、銀行の方に頼まれて銀行カードも作りました。それでも通帳を作るために身分証明書の提示を求められました。健康保険証を見せましたが、写真付きで ないといけないとのことで、免許証を取りだし提示してようやく認められました。
しかし、私はこれを当然のこととして受け止めました。返って銀行がここまでしっかり管理して下さっていることに感謝しました。人々の貴重な財産を預かって 管理している以上、幾重にも厳重な管理をして戴きたいと思います。
そのように、規則自体は本来に私達を縛るものではなく守るものであることを銘記し面倒くさがらないようにすることが肝要だと思います。ただ92歳のおばあちゃんの 場合は別にして。
彼は言っている。「戒めに戒め、戒めに戒め、規則に規則、規則に規則、ここに少し、あそこに少し。」と。まことに主は、もつれた 舌で、外国のことばで、この民に語られる。主は、彼らに「ここにいこいがある。疲れた者をいこわせよ。ここに休みがある。」と仰せられたのに、彼らは聞こうとは しなかった。イザヤ28:10~12
これはイザヤが国民の安全のために神の言葉を伝えているのに、民はそれを煩わしく思い、イザヤのいうことをないがしろにした。その結果、彼らは捕囚されて 行くことになったのです。