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妻の還暦

妻が先日還暦を迎えました。しかし、感謝なことにまだまだ若くて溌剌としています。昔は還暦まで生きられる事が目標だったのでしょうか、還暦になると人生が 一巡し、また新しい人生に入るという事で、赤ちゃんにあやかって赤いちゃんちゃんこに赤い帽子を被らせ、赤い座布団に座らせてお祝いをしました。

さらに、今から400年ほど前の江戸時代には人生50年と言われていました。江戸時代の大坂の浮世草子・人形浄瑠璃作者である井原西鶴は、52歳で生涯を 閉じましたが、彼は人より2年長くこの世の月を眺められたと次のような辞世の句を呼んでいます。

「浮世の月見過しにけり末二年」

私の小さい頃でも、女性が50歳ぐらいになると地味な服を着て、いかにもお婆さんという感じで生活していました。精神的にも今に比べたら随分老いを意識 していたと思われます。

当時の還暦の人と言えば、随分なお爺ちゃん、お婆ちゃんで、今でいえば80歳ぐらいの感覚だったのではないかなと思います。其の頃の歌に船頭さんというのが ありました。歌詞の内容は以下の通りです。

― 船頭さん ―

村の渡しの船頭さんは  今年六十のお爺さん

年を取つてもお船を漕ぐときは  元気いつぱい櫓がしなる

それ ぎつちら ぎつちら ぎつちらこ

この歌は今からまだ70年程前に造られた歌で、終戦直後に生まれた私も小さい頃よく口ずさんでいましたが、よく考えると、50歳代を終え、60歳になった ばかりの人をお爺さんと呼び、彼が年とってお舟の櫓をこいでいる元気さ称賛しているのに驚きます。

それというのも、私が生まれた昭和23年当時の平均寿命を調べてみると、男性が55,8歳で女性が59,4歳となっています。もちろん当時は幼くして亡くなる 方の割合が多かったので実際はもっと長く生きておられる方が多くおられたことでしょうが、それにしても60歳を超えたお爺さんが現役の船頭さんとして櫓を漕いで いる姿は非常に珍しく映ったという事でしょう。それで、私も小さい頃は何の違和感もなくこの歌を歌えていたんだと思います。

その後、日本人の平均寿命は驚異的な伸びを示し、2010年の男性の平均寿命は、79.64歳、女性の平均寿命は86.39歳となりました。したがって、今では60歳と 言っても、まだまだ若く現役でバリバリ働いておられる方が沢山おられます。

人生80年から90年時代になり、還暦を迎えてもその後まだ20年から30年という長い期間を残しています。もはや老後とか余生とかの感覚ではあまりにも 勿体ないことだと思います。

その期間をただ老後として無為に過ごすことなく、充実した有意義な人生にするために、還暦を機にもう一度皆が、残る長い生涯の人生設計を立てて、新たな歩みを 始める必要があると思います。

改めて妻に「長い間、ありがとう。お疲れ様でした。また、今後ともよろしくお願いします。」と言いたいと思います。

あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。わざわいの日が来ないうちに、また「何の喜びもない。」と言う年月が近づく前に。 伝道者の書12:1

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