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いつも明るい方を見て笑う

ある本に「人生の失敗」という題で漫才師の島田洋七さんとの対談が載っていて、楽しく読ませていただきました。彼の人生は確かに様々な艱難の中を通って、周りから 見たら不幸と思えるような経験を幾度となくされていますが、しかしそれらの苦難が彼自身を「不幸」にすることはなかったと言っています。

彼は幼少時代広島の親から離れ佐賀のおばあちゃんのもとで育てられます。御婆ちゃんは特段の収入もなかったので、二人は極貧の生活を強いられます。その中で おばあちゃんから「うちは明るい貧乏だからよか。それも、最近貧乏になったのと違うから、心配せんでもよか。自信を持ちなさい。うちは先祖代々貧乏だから」と 教えられて育てられた。

つまり、最近貧乏になった人はそれを不幸に感じるかもしれないけれど、家はずっと貧乏なのだから、今更それを苦にする必要はなく、貧乏に対する免疫を持って いるのだから、前向きに堂々と受け入れて明るく生きていこうということだと思います。

私達の小さい頃は彼ほどではないにしても、今に比べたら、みんなそれなりに貧乏でした。しかし、それを貧乏だと思わない、あるいは貧乏だと気付かない強さが あったように思います。

私の父は1級土木師で、貧しい村に行って橋や道路をつくることに生き甲斐を感じていました。それで、あそこの港、あそこの道路は俺が造ったと小さい私達に 豪語しておりました。母によると東京の大きな会社からの誘いが来ても断って、種子島、屋久島とより僻地に仕事を求めて渡ったそうです。

母は父と共に屋久島に来た時、電気が通っていないことを初めて知って驚いたと言っていました。私の小学校低学年の頃までは各家庭に水道がなかったので、夕方に なると近所のお母さん方が井戸の周りに集まってお茶碗を洗ったり、鍋を洗ったりして、楽しそうにしゃべっている姿が毎日見られました。しかし、そのような生活を 別段、誰も貧乏とも不幸とも捉えていませんでした。

豊かな社会を知らなければ、あるいは人と比較しなかったら、どのような状況でも人を不幸にすることはできないのだなと思います。

実に、知恵が多くなれば悩みも多くなり、知識を増す者は悲しみを増す。伝道者の書1:18

また、彼の人生は起伏が激しく漫才ブームに乗って漫才で売れて天井知らずのお金が入り豊かさを満喫したかと思うと、ブームの終焉があっという間に来て仕事が 来なくなりコンビを解散、その後参院選に出馬するも落選、どん底の生活を強いられます。

彼は「『終わりよければ全てよし』は法則と言って良い人生の決まり事だろう。今が良いなら、それまでの失敗は失敗でなくなり、成功のための肥やしや跳躍台だと、 自分は考え、人も解釈してくれる。」だから彼は「ばあちゃんの影響で、俺、失敗しても。まず笑う。失敗って喜劇やし、喜劇と悲劇は背中合わせやから何が起きても 笑う。」と言っています。

彼は失敗し貧乏に逆戻りしても、先祖代々の貧乏人として絶望することなく笑い飛ばして次の跳躍台にしたので、その後挑戦して書いた「佐賀のがばいばあちゃん」が 海外を合わせると1000万部を超える大ヒットを記録し、大成功を収めることが出来ました。

1回の失敗で「自分は敗北者もう駄目だ」と思う人もいれば、次の為のステップだと笑い飛ばしてまた挑戦する人もいます。思いを暗い方に向けずに明るい方を見る ことは勝利するための大切な秘訣です。今、春の高校野球が甲子園で始まっていますが、負けている時ほど悲壮感を持たず、明るく笑っているように指導されます。 その方が能力が解放されるからです。

聖書は真理として次のように教えます。

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに 望んでおられることです。Ⅰテサロニケ5:16~18

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