121014
山中伸弥教授がノーベル賞
2012年のノーベル医学生理学賞に京都大学の山中教授の受賞が決まり、日本人の受賞に日本中が歓喜しています。あらゆる番組が先生の偉業をたたえ、先生は 記者会見やインタビューに追われて大層忙しくしておられる様子が伝わってきます。
先生のお疲れが心配ですが、もともと体育会系の人で、フルマラソンも走られるタフなスタミナをお持ちの方だということなので幾らか安心致しました。
先生は様々な細胞になりうる能力を持ったiPS細胞(人口多能性幹細胞)の研究をされて、それを発見されたことが「細胞の分化についての考え方を一変させた 画期的な発見」だということで今回評価され、ノーベル賞につながったということでした。
人間の細胞は元々1個の受精卵から始まります。それが次々に細胞分裂を繰り返して、内臓や骨や筋肉、骨などの細胞に分化して行きます。つまり、一つの細胞だった ものがあるものは肝臓になり、あるものは骨になり、あるものは血液に、あるものは皮膚にと言う具合に人間のあらゆる部分に分化して行くのです。
最初の受精卵だけが、どんな体の部分でも作ることができる万能細胞と言われるものだったのですが、山中教授は一度分化して皮膚や血液になったものをもう一度 万能細胞に戻すことができないかと研究し、その実験に成功したということなのです。
ですから、一度皮膚細胞となったものを採取して、万能細胞にすることで、例えば糖尿病になった人の膵臓を新しく造ることが出来たりするという画期的な発見に なりました。
世界には臓器移植を必要とし、ドナー待ちの患者さんが沢山おられます。そのほか、様々な病気や難病で苦しんでおられる方々には、新しい希望に繋がる朗報と なりました。
私達はこの医療を根本的に変えてしまう大発見に心から賛辞を送りたいと思いますが、まだまだ倫理面など越えなければいけないハードルも多そうです。
しかし、良く考えてみれば、最初に一つの細胞(受精卵)から様々な機能を持つそれぞれの細胞に分化して行くこと自体、すごいことであり神秘的な出来事です。 人間は一度分化した細胞、例えば皮膚細胞から初期化して最初の万能細胞を造ることが可能になりましたが、一番最初の万能細胞はどうして出来たのでしょうか。
これは人間の能力をはるかに超えたお方が最初の万能細胞を造り、それが様々な身体の部分に分化して行くように計画され、それが実現されてきたものです。
私たち人間はそれをうまく活用するだけであって、何もない所から万能細胞を生みだすことはできません。
例えば、週報を作ることに関しても、以前はずいぶん苦労して、ガリ版で刷ったりして作っていましたが、今はパソコンの機能を使って、文章を作り、プリンターを 使って簡単に綺麗な週報ができるようになりました。
しかし、私にはまだ活用しきれていないパソコンの性能が山ほどあります。到底パソコンを造られた方の知恵にはかないません。また一つ一つの機能もどのように なっているか分からないまま、ただそれを活用するだけです。
私達の身体も、造り主がいて、人間はその機能を発見して活用するだけで、その機能自体を自分で作り出すことはできません。このような素晴らしい発見があるたびに 思わされるのは、そのように人間を造られた造り主なる神様の存在と、そこに流れる神様の知恵と愛であります。
神はこのように、人をご自身のかたちに創造された。神のかたちに彼を創造し、男と女とに彼らを創造された。神はまた、彼らを 祝福し、このように神は彼らに仰せられた。「生めよ。ふえよ。地を満たせ。地を従えよ。海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配せよ。」 創世記1:27〜28